スイス・チューリッヒ大学病院のM.Hochuli氏

 糖入り甘味飲料sugar sweetened beveragesSSB)は、大量に摂取すると肥満者の糖代謝や脂質代謝に悪影響を及ぼすとされるが、肥満でない人が低〜中等度量を摂取した場合の影響についてはあまり明らかではない。そこで健常人を対象に、比較的少量〜中等度量のSSB摂取の影響を調べたところ、3週間後のLDL-C粒子サイズや空腹時血糖、アシルカルニチン濃度などに悪影響を示すデータが得られた。9月12日から16日までポルトガル・リスボンで開催される欧州糖尿病学会(EASD2011)で、スイス・チューリッヒ大学病院のM.Hochuli氏らが発表した。

 29人の健常人を対象に3週間SSBを摂取してもらい、ベースラインと介入3週間後に、LDL粒子サイズ、空腹時血糖、空腹時の長鎖のアシルカルニチン濃度などを調べた。SSBは1日600mLで、含有する糖により、フルクトース(果糖)40mg(MF群) または80mg(HF群)、グルコース(ブドウ糖)40mg(MG群) または80mg(HG群)、スクロース(ショ糖)80mg(HS群)、フルクトースをできるだけ取らないよう栄養指導したLF群の6つのグループに無作為に分けた。

 その結果、LDL粒子サイズはフルクトースを多く含むHF群(−0.51nm、95%信頼区間:−0.19〜−0.82)とHS群(−0.43nm、95%信頼区間:−0.12〜−0.74、ともにp<0.05)で介入後に有意に減少した。同様に、より動脈硬化を促進させる小型のLDL分画の割合が、フラクトースを含むMF群、HF群、HS群で介入後に高いことも分かった。

 空腹時血糖はすべての群で介入後に増加した(4〜9%、p<0.05)。

 また脂肪酸の分解(β酸化)において、脂肪酸がミトコンドリアに流入するために、脂肪酸とカルニチンと結合してできるアシルカルニチンの血中濃度(空腹時)を調べたところ、介入後の長鎖アシルカルニチンの血中濃度は、HG群と比較してHF群、HS群で有意に高かった(長鎖のアシルカルニチンC16〔palmitoylcarnitine〕の例で、HF群が1.43μmol/L、HG群が0.96μmol/L、p<0.05)。

 Hochuli氏は、「これらの結果は、フルクトースを含むSSBの摂取は少量〜中等度量でも、冠動脈疾患の危険因子に悪影響を及ぼすことを示唆している。フルクトースを多く含む飲料の摂取により、脂肪酸のβ酸化の過程に支障が生じる可能性も考えられる」と語った。

(日経メディカル別冊編集)