スウェーデンLund大学のUlrika Ericson氏

 長期にわたり蛋白質を多く摂取し続けると、2型糖尿病発症リスクは、およそ1.4倍に増大する可能性があることが示された。これは、スウェーデンLund大学のUlrika Ericson氏らが、15年におよぶ約3万人規模の前向きコホート試験で明らかにしたもので、9月12日から16日までリスボンで開催される欧州糖尿病学会(EASD2011)で発表した。これまでの研究結果では、蛋白質を多く、また炭水化物を多く摂取することで、短期的な体重減と血糖コントロールに効果があることは知られていた。長期的にはリスクが高まる可能性が示されたわけで、今回の検討結果は波紋を呼びそうだ。

 同研究グループは、Malmö Diet and Cancer試験の参加者の中から、45〜73歳の男女、計2万7140人を抽出し検討を行った。被験者は、女性が1万6590人、男性が1万550人で、試験開始時点で2型糖尿病の患者は認められなかった。

 今回の研究では、被験者に対し、毎週、食事の内容について、168項目の質問項目と45分間のインタビューを行った。その結果について、Cox比例ハザードモデルを用い、食事内容と2型糖尿病発症リスクとの関連を解析した。追跡期間は1991〜2006年で、この間に2型糖尿病を発症したのは1709人だった。

 解析の結果、蛋白質摂取が最も多い5分位の群では、最も少ない5分位群に比べ、2型糖尿病の発症リスクに関するハザード比は1.37(95%信頼区間:1.17‐1.61)と有意に高いことが分かった(傾向に関するp<0.001)。また、理論的モデルとして、総摂取エネルギー量の5%を、炭水化物から蛋白質に置き換えた場合も同様に、2型糖尿病リスクの発症に関するハザード比は1.17(同:1.06‐1.29)と有意に増大した。

 加えて、ソーセージやハムなどの加工肉の摂取量が多いことも、2型糖尿病発症リスクを増大させ、摂取が最も多い5分位群の同発症に関するハザード比は、最も少ない5分位群に比べ、1.17(同:1.00‐1.36、傾向に関するp=0.005)だった。なお、加工肉摂取について補正後も、蛋白質摂取と2型糖尿病発症リスク増加との関連は変わらなかった。

 一方、食物繊維を多く含むパンやシリアルの摂取は、逆に2型糖尿病リスクを減少させ、最高5分位群の最低5分位群に対するハザード比は0.95(同:0.92‐0.98、傾向に関するp=0.002)だった。

 Ericson氏は、「蛋白質の摂取を控え、替わりに食物繊維を多く含むパンなどを摂取することが、2型糖尿病リスクを抑えるためには望ましい」と結んだ。

 会場からは、運動量や試験開始時点での体格指数に関する質問があり、Ericson氏は、「運動量については補正した」「体格指数については、25以上と未満で分けて検討したが、両者とも同様な傾向が認められた」などと答えた。

(日経メディカル別冊編集)