スウェーデンのKärnsjukhusetのH. Afghahi氏

 腎機能障害がある2型糖尿病患者の6割は、非タンパク尿の腎疾患であることが報告された。スウェーデン糖尿病登録研究(NDR)の結果、明らかになった。成果について、同国のKärnsjukhusetのH. Afghahi氏(写真)が、9月20日から24日までストックホルムで開催された第46回欧州糖尿病学会EASD2010)で発表した。

 タンパク尿は腎疾患の兆候の1つであるが、2型糖尿病患者(T2D)においては必ずしもそうとは言えないとの報告もあった。そこで演者らは、NDRの横断的調査を実施し、2型糖尿病患者における非タンパク尿腎障害の有病率を調べるとともに、国の人口全体の糖尿病登録の中で非タンパク尿腎障害と関連する臨床的特徴を調査した。

 対象は、2008年にスウェーデン糖尿病登録に報告された症例のうち、年齢が30〜80歳で、アルブミン排泄、腎機能(血清クレアチニン)および臨床的特徴に関連するデータがそろっている2型糖尿病患者6万2661人。

 タンパク尿は尿中アルブミン排泄率が20μg/分以上とし、また腎障害はMDRD(Modification of Diet in Renal Disease)に従って推計糸球体ろ過量(eGFR)が60mL/分/1.73m2以下とした。

 今回の横断調査の結果、対象とした全症例の15%(9308人)に腎障害を認めた。また、腎障害患者の中で、58%(5415人)は非タンパク尿であり、42%(3893人)はタンパク尿であった。

 多変量分析によると、非タンパク尿腎障害患者はタンパク尿腎障害患者に比べて、有意に独立して、糖尿病罹患期間が短い(9.8 対 12.3年、p<0.001)、中性脂肪が低い(2.02 対 2.16mmol/L、p<0.001)、収縮期血圧が低い(135.7 対 139.7mmHg、p<0.001)、血糖管理(HbA1c)が良好(7.02 対 7.15%、p<0.01)、男性の割合が低い(36.9 対 61.7%、p<0.001)、喫煙者が少ない(8.3 対 21.5%、p<0.001)などという特徴が見い出された。

 Afghahi氏は、「2型糖尿病で腎障害のある患者の多くは、非タンパク尿の腎疾患であることが明らかになった」と結論。「2型糖尿病患者においては、より正確な腎機能の評価を行うためのマーカーと方法の開発が、タンパク尿ではない患者のスクリーニング、フォローアップ、および治療に重要である」と指摘した。

(日経メディカル別冊編集)