スウェーデン・マルメ市のC.Törn氏

 糖尿病と診断された人を平均15年間追跡したコホート研究で、糖尿病の成人男性は、糖尿病発症後15年以内に死亡するリスクが健康な男性の3倍に上ることが示された。スウェーデン・マルメ市のC.Törn氏(写真)らが、9月20日から24日までスウェーデンのストックホルムで開催されている第46回欧州糖尿病学会EASD2010)で発表した。

 これまでのいくつかの研究で、糖尿病患者は早期の死亡リスクが高いことが指摘されている。Törn氏らは、こうした事実がスウェーデンでも確認されるかどうか調べるために、スウェーデンの糖尿病患者を診断時から15年間追跡して、全ての死因および死因ごと死亡率、死亡した場所、死亡した日付を調べ、健康な対照者と比較した。

 1992〜1993年にかけて、診断時に15〜34歳の患者を国内登録研究であるスウェーデン糖尿病発生率調査(Diabetes Incidence Study in Sweden)に登録した(n=879)。対照者は、患者が糖尿病と診断された時に、生年月日と性別が一致する健康な人を患者ごとに選んで設定した(n=837)。

 追跡においては、記録をスウェーデン死因登録と照合して、2009年3月2日まで患者群(n=879)と対照群(n=837)両方の生存状態を確認した。追跡期間は中央値15.9年(範囲1〜17年)、合計2万7173患者年であった。

 15年間の追跡期間中、患者群の3.3%(879人中29人。男性24人、女性5人)と、対照群の1.1%(837人中9人。男性7人、女性2人)が死亡した。糖尿病患者が死亡するリスクは、糖尿病でない患者のほぼ3倍であった(ハザード比2.9、95%信頼区間:1.4-6.2)。この傾向は特に男性で著しかった(ハザード比2.8、95%信頼区間:1.2-6.5)。

 死亡時の年齢は、患者群(29人)では、平均年齢が37歳(18〜48歳)、対照群(9人)では、平均年齢が38歳(20〜49歳)だった。

 患者群では糖尿病が第1の死因で、34%(10人)で死亡原因と特定された。さらに糖尿病が死亡の一因と考えられるケースが5件あった。患者群で2番目に多かった死因は、循環器疾患の17%(5人)だった。

 患者群では、過半数の55%(16人)が自宅で死亡し、残りは医療機関で28%(8人)またはその他の場所で17%(5人)が死亡した。これに対し、対照群では33%(3人)が自宅、33%(3人)が医療機関、そして33%(3人)がその他の場所で死亡した。

 なお、死亡証明書に死亡日が明記されていたのは、対照群で100%だったのに対し、患者群では45%にとどまっていた。

 これらの結果をもとにTörnは、「特に糖尿病の成人男性は、糖尿病発病後15年以内に死亡するリスクが糖尿病でない健康な男性の3倍であった。また、大半が自宅で死亡し、そのうち約半数は、死亡日が特定されないようなかたちで死亡していた」と指摘。「糖尿病の成人男性は、若年での死亡リスクが高い可能性がある。若年、中年の糖尿病患者をケアする際には、このような事実があることを認識し、自宅での生活に留意すべきだろう」と話した。

(日経メディカル別冊編集)