イースタンフィンランド大学のP.J. Puustinen氏

 精神的苦痛の程度を測ることで、その後のメタボリックシンドロームの発症しやすさが予測できる可能性があることが、集団ベースのプロスペクティブ研究で示された。イースタンフィンランド大学のP.J. Puustinen氏(写真)が、9月20日から24日まで、スウェーデンのストックホルムで開催されている第46回欧州糖尿病学会EASD2010)で発表した。

 Puustinen氏は、精神的苦痛の有無が、メタボリックシンドローム(MetS)の発現に関連しているかどうかを前向きに調べた。

 対象は、36歳から56歳のMetSではない466人(男性185人、女性281人)。対象者は、1997〜1998年と2004〜2005年の2回募集した。

 観察期間中央値は6.4年。追跡開始時に、12項目の一般健康調査票(GHQ-12)を用いて実施した精神的苦痛の評価を含めて、様々な臨床、生化学、行動因子を測定した。MetSの発現は、National Cholesterol Education Program(米国コレステロール教育プログラム)の評価基準に基づいて追跡時に測定した。

 その結果、追跡開始時のGHQ-12のスコアが4〜12と精神的苦痛のレベルが高い被験者は、MetSになる確率が精神的苦痛のレベルが低い被験者(GHQ-12のスコアが0〜3)の2倍以上だった(オッズ比2.18、95%信頼区間:1.30〜3.64、p=0.003)。

 (1)年齢、性別、および社会的な地位、(2)「(1)+喫煙、飲酒歴」、(3)「(1)+(2)+余暇と運動」の、それぞれで補正すると、精神的苦痛のレベルが高いグループにおけるMetS発現率が減少したものの(それぞれオッズ比1.87、1.83、1.81)、精神的苦痛のレベルとMetS発現率の関連性は依然として統計的に有意だった(p=0.025〜0.038)。

 Puustinen氏は、「精神的苦痛がある人はMetSになるリスクが高いことが示唆された。精神的苦痛へのアプローチが、MetSの発生率を減らす可能性がある」などと述べた。

(日経メディカル別冊編集)