持効型インスリン製剤であるインスリン デテミル1型糖尿病患者に対し、中間型インスリン(NPH)よりも低血糖を来す頻度が低いことが明らかになった。9月30日から10月2日にオーストリア・ウィーンで開催された第45回欧州糖尿病学会(EASD)で、デンマーク・Aarhus大学のK.Hermansen氏がメタ解析の結果として発表した。

 対象は、basal-bolus療法を行っている1型糖尿病患者で、基礎インスリン(basalインスリン)としてインスリン デテミルまたは中間型インスリン(NPH)を用いていた7つのランダム化比較試験の解析である。追加インスリン(bolusインスリン)としては、インスリン アスパルトが最も多い5つの試験で使用されていた。

 最終的にメタ解析の対象となったのは、インスリン デテミル群2004人(男性1160人、女性844人、平均年齢39.4歳)とNPH群1178人(男性689人、女性489人、平均年齢39.2歳)だった。罹病期間やBMI、平均HbA1c値などの患者背景について、両群に差はなかった。

 インスリン療法開始による影響を除外するため、それぞれの試験終了から90日間さかのぼって、低血糖を来した患者の割合を調べた。その結果、インスリン デテミル群はNPH群よりも患者が低血糖を起こす頻度が有意に低かった(相対リスク=0.81、95%CI:0.73-0.90 p<0.001)。また、試験終了時点でのHbA1c値と低血糖との関連をみたところ、HbA1c値が1%上がるごとに、治療期間中に低血糖を来す危険性は24%ずつ低下することが明らかになった。

 Hermansen氏は、「試験終了時点でのHbA1c値は低血糖発現リスクの予測因子であると考えられた。また、インスリン デテミル群はNPH群よりも低血糖を起こす頻度が低いと言えるのではないか」と締めくくった。