二相性インスリンアナログ製剤であるインスリン アスパルト混合製剤の1日1回夕食前投与と、インスリン グラルギンの1日1回就寝前投与の有効性を2型糖尿病患者で比較した試験の結果が、9月30日から10月2日までオーストリア・ウイーンで開催された第45回欧州糖尿病学会(EASD)で報告された。HbA1c値の低下はインスリン アスパルト混合製剤の方が有意に大きいという結果で、ポーランド・Centralny Szpital Kliniczny MSWIAのEdward.Franek氏(写真)が発表した。

 比較試験は15カ国480人の2型糖尿病患者を対象としたOnceMix試験。患者スクリーニング後、試験導入期間としてメトホルミン+グリメピリド4週間投与の後、インスリン アスパルト混合製剤を夕食前に併用する群とインスリン グラルギンを就寝前に併用する群とに無作為に割り付けた。プライマリーエンドポイントは、インスリン投与開始から26週後のHbA1c値。

 ベースラインにおけるアスパルト混合製剤群の患者数は231人で、平均年齢56歳、HbA1c平均値は8.5%、糖尿病の平均罹病期間は9.1年。グラルギン群の患者数は238人で、平均年齢56歳、HbA1c平均値は8.5%、糖尿病の平均罹病期間は9.5年だった。

 ベースラインから26週後のHbA1cの平均変化量は、アスパルト混合製剤群で-1.41%、グラルギン群で-1.25%となり、グラルギン群に比べてアスパルト混合製剤群は有意にHbA1cが改善していた(両群の差の95%信頼区間は、-0.30〜-0.02、p=0.029)

 毎食前、毎食2時間後および就寝時を測定ポイントとした自己測定による平均血糖値を比べると、両群ともにどのポイントも26週時点ではベースラインよりも減少した。26週時点において両群を比べると、夕食後2時間後および就寝前で、アスパルト混合製剤群の血糖値はグラルギンよりも有意に低かった。

 低血糖の発生については両群ともに頻度は低く、重大な低血糖はアスパルト混合製剤群で3例、グラルギン群で2例。重大ではない低血糖を経験した患者の割合は、アスパルト混合製剤群では48.5%、グラルギン群では41.6%で、グラルギン群に対するアスパルト混合製剤群の低血糖の相対リスクは1.4(p=0.034)だった。午前0時から午前6時の夜間に限ると、アスパルト混合製剤群の相対リスクは2.4(p=0.003)と高くなった。

 なお、ベースラインにおけるインスリンの1日投与量は両群ともに0.18 U/kgだったが、26週後にはアスパルト混合製剤群は0.32 U/kg、グラルギン群は0.29 U/kgに増加していた。

 アスパルト混合製剤群で頻度が高い傾向がみられた低血糖について、Franek氏は「絶対的な発生率は低いため、双方ともに忍容性と安全性は高い」と説明し、「HbA1cを下げるという観点から、アスパルト混合製剤はグラルギンに対する優位性を証明した」と結論づけた。