デンマークBispebjerg大学病院のE.S. Vadstrup氏

 2型糖尿病患者に対する生活様式グループ改善療法に、外来診療における個人指導に匹敵する効果が期待できることが示された。デンマークBispebjerg大学病院のE.S. Vadstrup氏(写真)らが、9月29日から10月2日までオーストリア・ウィーンで開催されている第45回欧州糖尿病学会(EASD 2009)で発表した。

 現在のガイドラインでは教育のほか運動や食事などの指導を通じて、2型糖尿病患者に生活改善を求めている。演者らは、薬物療法以外の内容や構成についてはまだ議論の余地があるとの問題意識から、プライマリケアにおけるヘルスケアセンターでのグループ教育を基本とした新しい生活様式改善プログラムに取り組んできた。今回は、外来診療における従来の個人指導との比較検討を行った。

 対象は2型糖尿病患者143人で、複数の指導チームによって、運動プログラム、調理コースを提供する教育プログラム介入群か糖尿病専門看護師と栄養士との個人カウンセリングを受ける対照群のどちらかに割り付けた。6カ月フォローアップ時に、主要評価項目であるHbA1cのほか、血圧や脂質、身体計測値、体力などの変化を把握した。

 2群間でベースラインの特徴は同等であった。22人の患者が6カ月のフォローアップを完了できなかったため、121人の患者について包括的な解析を行った。

 介入群の64%の患者は、運動プログラムの75%を完了し、76%の患者は6回の教育セッションのうち5回に参加した。一方、対照群のうち90%の患者は、カウンセリングセッションの75%を完了した。

 6カ月後、介入群ではHbA1cが7.8±0.9%から7.5±1.0%まで低下したの対し、対照群でも7.8±0.8%から7.2±0.9%まで低下した。両群で有意差はなかった(p=0.054)。両群を合わせた全体では、HbA1cがベースラインに比べて6カ月後に有意に低下していた(−0.4%、p<0.01)。

 同様に、2群を合わせた全体では、6カ月後の収縮期血圧(−5mmHg、95%信頼区間:−7.8〜−3.0)、体重(−2kg、95%信頼区間:−2.7〜−1.4)、腰囲(−2cm、95%信頼区間:−2.6〜−1.3)に減少が見られた。しかし、両群間での差はなかった。

 また、両群間で脂質プロファイルに差はなかったが、全体ではp-コレステロール(−0.3mmol/L、95%信頼区間:−0.4〜−0.1)、p-中性脂肪(−0.2mmol/L、95%信頼区間:−0.5〜−0.02)にわずかながら減少が見られた。

 両群間で差を認めたのは脚の筋力の改善だった。介入群では、脚の筋力が運動プログラムを通して30%まで改善した(132kgから169kgに、95%信頼区間:27.6‐46.7)。一方、対照群では6カ月後の筋力に改善は認めなかった。

 演者らは、2型糖尿病患者のための新しい生活様式グループ改善療法は、血糖コントロールは従来の指導以上に改善されなかったが、筋力の改善は見られた点を強調。また、両群で、血圧、脂質、体重および腰囲に関しての効果は等しかったことから、「プライマリケアにおけるヘルスケアセンターでの生活様式グループ改善療法は、従来の外来における個人指導と同等の効果が期待できる」と結論した。