英レスター大学のK. Khunti氏

 新たに2型糖尿病と診断された患者のための構成的グループ教育プログラムであるDESMONDは、費用効率が高いことが示唆された。通常のプログラムと比較した臨床試験で明らかになったもので、英レスター大学のK. Khunti氏(写真)らが、9月29日から10月2日までオーストリア・ウイーンで開催される第45回欧州糖尿病学会(EASD 2009)で発表した。

 DESMONDは、新規2型糖尿病患者のための構成的グループ教育プログラムで、英国国立衛生臨床研究所によって定められた基準を満たしている。昨年報告された、新たに2型糖尿病と診断された824人の患者を登録した無作為化臨床試験(DESMOND試験)の結果では、いくつかの生物医学的および生活様式の測定値、特に喫煙および体重に改善が見られている。また、病識や抑うつのスコアにも改善が認められている。今回は、通常の教育プログラムと比較した長期費用対効果を評価することが目的だった。

 今回の解析は、このうちの749人の登録患者について、生物医学的および生活様式の12カ月追跡データ、英国国民医療サービス(NHS)を基にしたデータを収集した。解析では、DESMOND介入の長期アウトカムや費用と効果、さらに費用対効果を推定するため、12カ月のDESMOND試験記載データを用いた。

 推定されたDESMONDの長期の費用は、生存年数(QALYs)当たりの増加分の費用として求めた。また効果は、治療への影響、心血管イベントおよび生活の質で調整したQALYsを含めて評価した。介入の効果は、最大3年間は持続すると仮定した。主要な指標、例えば体重変化、喫煙量、効果の持続性などの不確定な点については、確率的感度解析(PSA)などを用い探索した。

 DESMOND試験の主な結果は、DESMOND介入により1.26kg以上の体重減少があり、喫煙状況が改善されたことだった。今回の解析で、試験の介入費用を基にした推定生涯増加費用は、218(95%信頼区間:−194-758)英ポンドで、QALYsが0.0406(95%信頼区間:−0.0283‐0.1050)増加し、増分費用対効果比率(ICER)は5369英ポンドとなった。PSAによる結果は、QALYs当たり費用支払い意欲の限界値は2万英ポンドで、DESMONDが通常の教育プログラムよりも費用効率が高いという可能性は81%であると値を示した。

 標準的なプライマリケアの資金が患者一人当たり76英ポンドであるのに対し、試験では203英ポンドであることを考慮し、DESMOND介入を行うための現実の費用を用いて再度解析を行ったところ、生涯の増分費用は91英ポンドで、ICERは2241英ポンドという結果となった。

 この場合のPSAによると、QALYs当たりの費用の限界値は2万英ポンドで、DESMONDが通常の教育プログラムよりも費用効率が高い可能性は87%を示した。およその現実のDESMONDの費用と効果の持続性について、より慎重な想定に基づいて行った感度解析では、ICERは2647英ポンド、DESMONDの費用効率が高い可能性は80%となった。

 これらの結果を踏まえ演者らは、「1回の介入で効果がどのくらい持続するかを控えめに推定しても、DESMONDは非常に費用効率が高いことを示唆している」と結論した。