2型糖尿病においては、強化療法心筋梗塞発症を顕著に減少させることが示された。無作為化臨床試験のメタ解析で分かったもので、イタリア・フィレンツェ大学病院のM. Monami氏らが、9月29日から10月2日までオーストリア・ウイーンで開催される第45回欧州糖尿病学会EASD 2009)で発表した。

 演者らは、2型糖尿病患者において心血管疾患発症に対する血糖コントロール改善の効果を評価するためメタ解析を行った。

 今回のメタ解析には、(1)試験中の平均HbA1cのグループ間の差が少なくとも0.5%である、(2)少なくとも3年の治療期間が計画された、(3)エンドポイントが心血管イベントである――を満たす無作為化臨床試験を選んだ。2人の評価者が、それぞれ独立して別々に解析のためのデータを抽出し、相反するデータについては、上位の研究者(senior investigator)が整合性をとる体制とした。

 最終的には、ACCORD、ADVANCE、PROACTIVE、UKPDS 33+34、VADTの5つの無作為化臨床試験を解析対象とした。このうち、積極的な血糖レベル低下を目指す強化療法を受けた人は1万7627人、一方の従来療法を受けた人は1万5362人だった。

 解析の結果、HbA1cを平均で0.9%下げた強化療法では、心血管イベント(オッズ比:0.89、0.83-0.95)と心筋梗塞(オッズ比:0.86、0.78-0.93)の発症の顕著な減少と関係があった。ただし、脳卒中(オッズ比:0.93、0.81-1.07)や心血管死亡率(オッズ比:0.98、0.77-1.23)とは関連性が見出せなかった。

 一方、メタ回帰分析では、強化療法グループで、より高い体格指数、糖尿病罹病期間、および重篤な低血糖症発症、心血管死亡リスクが大きいことが関係していた。

 これらの結果から演者らは、「2型糖尿病患者では、強化療法が心筋梗塞発症を顕著に減少させた。その一方で、脳卒中および心血管死亡率には影響しなかった」とした。また、「強化療法により引き起こされた低血糖症は、心血管死亡率の増加に関連する可能性がある」と指摘した。