浜松医科大学呼吸器内科の穂積宏尚氏

 関節リウマチ(RA)に関連した間質性肺炎の急性増悪には、間質性肺炎診断時の年齢、通常型間質性肺炎(UIP)所見、メトトレキサート(MTX)治療歴が有意なリスク因子になることが指摘された。日本人のRA関連間質性肺炎患者を対象としたレトロスペクティブな研究から明らかになったもので、5月17日から22日に米国フィラデルフィアで開催された米国胸部学会(ATS2013)で、浜松医科大学呼吸器内科の穂積宏尚氏らが報告した。

 関節リウマチ(RA)患者には疾患自体や治療に関連した間質性肺炎の発症が見られることが知られている。間質性肺炎の一種である特発性肺線維症では急性増悪が生じると呼吸機能が急激に低下し、死亡リスクが高まる。同様の急性増悪はRA関連間質性肺炎でも生じることが分かっているが、急性増悪のリスク因子と予後については十分に検討されていなかった。

 穂積氏らは、1995〜2012 年に自施設でRA関連間質性肺炎と診断された連続51例をレトロスペクティブに検討した。急性増悪は、米国IPF-netの2007年基準に基づく、RA関連間質性肺炎の診断歴、発症から30日以内に原因が特定できなかった呼吸困難の発症および増悪、高解像度CT所見(両側すりガラス陰影、網状・巣状パターンの浸潤影)、呼吸器感染症の否定、他の原因の除外などに基づいて判定した。

 約8年間の観察期間に11例で急性増悪が認められた。非急性増悪群(40例)と急性増悪群の背景を比較したところ、高解像度CTでUIP所見がみられたのは急性増悪群6例(55%)、非急性増悪群8例(20%)、死亡は急性増悪群7例(64%)、非急性増悪群5例(13%)と、いずれも急性増悪群で有意に多かった(いずれもP=0.02)。両群の年齢、性別、喫煙歴、動脈血酸素分圧、%FVCなどには違いは認められなかった。

 1年累積急性増悪率は、UIP所見あり群6.5%、UIP所見なし群1.7%と、前者で有意に高かった(P=0.018)。単変量Coxハザード解析では、急性増悪の有意なリスク因子として、間質性肺炎診断時の年齢(ハザード比[HR]:1.11、95%信頼区間[CI] 1.02-1.21、P=0.01)、UIP所見(HR:1.95、95%CI 1.07-3.63、P=0.03)、MTX使用(HR:3.04、95%CI 1.62-6.02、P=0.001)が同定された。

 累積生存率は急性増悪群に比べて非急性増悪群で有意に高かった(P=0.001)。単変量Coxハザード解析では、生存の有意な予測因子として観察期間中の急性増悪が同定され、急性増悪群の非急性増悪群に対する死亡ハザード比は2.47(95%CI 1.39-4.56、P=0.003)だった。RAや間質性肺炎診断時の年齢、性別、喫煙歴、UIP所見などは生存の有意な因子ではなかった。

 以上の検討から穂積氏は、「RA関連間質性肺炎の急性増悪のリスク因子は、間質性肺炎診断時の年齢、UIP所見、MTX治療歴であり、急性増悪は予後不良の予測因子である」と結論した。