オーストラリアThe George Institute for Global HealthのChristine Jenkins氏

 COPD患者に対する吸入ステロイド薬(ICS)ブデソニド長時間作用型β2刺激薬(LABA)ホルモテロールの配合剤の有効性は、投与3カ月後までの早期から、重症度を問わず認められることが示された。同配合剤とプラセボを比較検討した3試験のプール解析の結果から明らかになったもの。オーストラリアThe George Institute for Global HealthのChristine Jenkins氏らが、5月17日から22日まで米国フィラデルフィアで開催されている米国胸部学会(ATS2013)で報告した。

 今回の事後解析では、実施済みの3試験からブデソニド320μg/ホルモテロール9μg配合剤あるいはプラセボを1日2回、タービュヘイラーで吸入していた患者の3カ月後までのデータを抽出した。解析対象となったのは1571例で、年齢は63.7歳、男性比率は76.7%、気管支拡張薬投与前の1秒量(FEV1)は1.13L、発作治療薬の使用回数は3.39回/日だった。重症度分類は、中等症が24.2%、重症が61.4%、最重症が14.4%を占めた。

 評価項目は、増悪(経口ステロイド薬の使用、COPD悪化による入院)、試験からの脱落(理由を問わず試験の継続不能例)、増悪と脱落の複合エンドポイントである「EXDO」(増悪あるいは脱落のいずれか。初回増悪後の脱落は含まない)とした。これは、特に最重症を対象とした試験では脱落例が多く、増悪だけを評価しても介入効果を適切に判定できない可能性があるため。

 検討の結果、配合剤群のプラセボ群に対するCOPD増悪のハザード比は、中等症が0.43(95%信頼区間:0.26-0.74)、重症が0.45(同:0.33-0.63)、最重症が0.58(同:0.31-1.05)と、重症度にかかわらず増悪の抑制が一貫して認められたが、最重症では有意でなかった。その1つの理由として、最重症は症例数が少ない上、脱落例が多かったことが挙げられた。

 試験からの脱落については、中等症が0.61(同:0.34-1.10)、重症が0.56(同:0.39-0.81)、最重症が0.38(同:0.18-0.80)と、最重症の患者ではプラセボ群に対する配合剤群のハザード比が最も低くなり、2群の差が開くことが分かった。

 さらにEXDOのハザード比は、中等症が0.52(同:0.34-0.81)、重症が0.49(同:0.37-0.64)、最重症が0.55(同:0.33-0.91)と、配合剤群ではCOPDの重症度によらず、EXDOのリスクが一貫して有意に低下することが分かった。

 気管支拡張薬投与前のFEV1や朝のピークフロー(PEF)を見ると、配合剤群のプラセボ群に対する優位性は重症度にかかわらず一貫して有意に認められたが、最重症ではその効果が最も弱かった。

 発作治療薬の使用回数は重症度によらず配合剤群で有意に低下しており、重症度が高まるほど少なくなっていた。また、COPD症状スコアも配合剤群でいずれの重症度において有意に改善していた。

 これらの結果を踏まえJenkins氏は、「ブデソニド/ホルモテロール配合剤の有効性は中等症から最重症までの幅広いCOPD患者において、投与3カ月後までの早い段階から一貫して認められた」と結論し、「今後、同配合剤の有効性をさらに検証するため、EXDOを評価項目とした介入試験を、実薬を対照とし、試験期間をさらに短く設定した上で行うべきだ」と語った。