米国Arizona Respiratory CenterのNipasiri Voraphani氏

 3歳までの乳幼児期にRSウイルスによる下気道感染症を罹患した若年成人は、喫煙により、いずれのリスクもない場合に比べて1.9倍もの喘息発症リスクを有することが明らかになった。米国Arizona Respiratory CenterのNipasiri Voraphani氏らが、5月17日から22日までフィラデルフィアで開催されている米国胸部学会(ATS2013)で報告した。

 Voraphani氏らは、非選択的な出生コホートを対象とした長期プロスペクティブ研究であるTucson小児呼吸器研究の1980〜84年の登録者1246人を対象とした。

 RSウイルスによる下気道感染症は、3歳までに医師により下気道感染症と診断され、鼻咽頭標本の培養によりRSウイルス感染が確定したものとした。

 また、喘息の現在罹患は、22歳、24歳、26歳の時点におけるアンケート調査で、前年に医師により喘息と診断され、かつ症状ありと回答した場合とした。現在喫煙は、22歳、24歳、26歳時点の自己申告に基づいた。

 RSウイルス下気道感染、喘息、喫煙のすべてのデータが揃っていた673人を解析対象とした。このうち23.8%(160人)は1回以上のRSウイルス下気道感染症の既往があった。

 調査の結果、喘息の罹患率は22歳時で18.6%、24歳時で19.7%、26歳時で19.9%、現在喫煙率はそれぞれ25.9%、22.5%、22.4%だった。

 調整済みの一般化推定方程式(GEE)モデルによる解析の結果、RSウイルス下気道感染症と現在喫煙がいずれもない場合に比べ、両方のリスクを有する場合の喘息罹患リスクは1.9倍と有意に高かった(P<0.001)。また、現在喫煙者では、RSウイルス下気道感染症の既往がない場合に比べ、RSウイルス下気道感染症既往の場合、相対リスクは2.2倍と有意に高かった(P<0.001)。

 これらの結果からVoraphani氏は、「幼少期におけるRSウイルス感染は、長期にわたって気道の構造や機能に影響を与えている可能性がある。ただし、喫煙をしなければ、RSウイルス下気道感染症は成人発症喘息の有意なリスクとはならないようだ」と結論した。