米国Wisconsin大学のMichaela Teodorescu氏

 一般住民を対象とした8年間の前向き研究から、小児期発症喘息は閉塞型睡眠時無呼吸症候群(OSA)の有意なリスク因子であることが明らかになった。米国フィラデルフィアで5月17日から22日まで開催されている米国胸部学会(ATS2013)で、米国Wisconsin大学のMichaela Teodorescu氏らが報告した。

 これまでに横断研究では、喘息患者にOSA発症が多いことが示されているが、喘息が将来のOSA発症を促進するかどうかは明らかではなかった。そこでTeodorescu氏らは、Wisconsin Sleep Cohortに登録された一般住民1521人(30〜60歳)を対象に前向きの検討を行った。

 1988年に研究を開始し、4年毎に睡眠ポリソムノグラフィ(PSG)、標準化インタビュー、質問票を用いた患者調査を行った。OSAの判定基準はPSGで無呼吸低呼吸指数(AHI)≧5、あるいは経鼻的持続陽圧呼吸療法(CPAP)を施行した者と定義した。

 ベースラインでOSAがなく、8年間の追跡期間中に1回以上のPSG検査を行い得た774人について解析の対象とした。内訳は喘息群115人、非喘息群659人で、喘息群のうち小児期発症群が32人、成人期発症群は83人だった。

 追跡期間中にPSG検査を1483件行い、444件(30%)がOSAと判定された。背景別の検討では、OSA発症率は非喘息群29%、喘息群41%で、非喘息群に比べて喘息群で有意に高かった(P<0.001)。

 非喘息群に対する小児期喘息発症群、成人期喘息発症群のOSA発症のオッズ比を求めた。ベースライン共変数と追跡期間中の喘息発症、BMI変化量で補正したところ、小児期発症群が2.01(95%信頼区間[CI] 1.04-3.89、 P=0.039)、成人期発症群は1.61(95%CI 0.99-2.62、P=0.057)で、小児期発症群でのみ有意に高かった。

 また、喘息罹病期間が5年長くなるとOSA発症リスクは12%有意に上昇した(P=0.013)。未治療時のOSA重症度については、喘息群と非喘息群で有意な差を認めなかった。

 以上の検討からTeodorescu氏は、「本研究では、喘息、特に小児期発症喘息はOSA発症のリスク因子であり、喘息罹病期間の延長とともにリスクが上昇することが示された」と結論した。また、今後の研究の具体的な方向性として、喘息の病型の検討や小児期からの追跡、喘息がOSA発症を促進させる機序などについての検討が必要と述べた。