スペインHospital San Pedro de AlcantaraのJuan Bergua氏

 マントル細胞リンパ腫患者で、hyper-CVAD療法(シクロホスファミド、ビンクリスチン、ドキソルビシン、デキサメタゾン)とメトトレキサート/シタラビン(Ara C)療法の交替療法に、リツキシマブを加えることによって、高い寛解率と生存率が得られることが報告された。多施設フェーズ2試験であるManto 2000試験の結果で明らかになった。スペインHospital San Pedro de AlcantaraのJuan Bergua氏(写真)が、12月5日から8日までニューオーリンズで開催された第51回米国血液学会(ASH 2009)で発表した。

 フェーズ2試験は、未治療のマントル細胞リンパ腫患者を対象に、自己末梢血幹細胞移植(ASCT)の前に、Hyper-CVAD療法とメトトレキサート/シタラビン(Ara C)療法の交替療法、さらにリツキシマブによる治療を行い、全生存(OS)、無イベント生存(EFS)、無増悪生存(PFS)を検討した。

 治療は、Hyper-CVAD療法の後にメトトレキサート/シタラビン療法を行い、その後、さらにHyper-CVAD療法、メトトレキサート/シタラビン療法を行った。その後、リツキシマブ(375mg/m2)投与を4コース行った。続いて、シクロホスファミドとG-CSFにより幹細胞動員を行い、末梢血幹細胞を採取した。ここで幹細胞動員ができない場合は、イホスファミド、 Mesna、エトポシド、G-CSFを投与した。幹細胞動員の後、BEAM療法(BCNU、エトポシド、シタラビン、メルファラン)を行い、移植後血小板数が回復した後に再度リツキシマブ (375mg/m2)による4コースの治療を追加した。

 フォローアップ期間の中央値は75.07カ月。評価可能だった42人におけるHyper-CVAD療法後の完全寛解 (CR)は52.38%、不確定な完全寛解(CRu)は7.14%だった。これが、リツキシマブ投与後は69.4%、13.8%、ASCT後は78.5%、10.7%、再度投与したリツキシマブ後は84.61%、11.53%だった。結局、リツキシマブの投与前後で10%程度のCR率の増加が見られた。また寛解率(CR+CRu+PR)は、Hyper-CVAD療法後80.92%、リツキシマブ投与後97.0%、ASCT後92.7%、再度投与したリツキシマブ後96.14%となった。

 生存期間中央値は77カ月、3年生存率は73.6%、5年生存率は61.96%だった。EFS中央値は43.3カ月で、6年EFS率は21%、6年PFS率は37%であった。

 単変量解析では生存期間の延長に関与する因子として、試験開始時の全身状態の指標(ECOG PS)、 CRの達成、芽球型リンパ腫の有無、ASCTの実施が抽出された。EFSに対しては、単変量解析でECOG PS、ASCTの実施、脾腫が、多変量解析ではASCTの実施が抽出された。

 リツキシマブ投与後の有害事象は、グレード3の好中球減少が2.63%、グレード4の血小板減少が2.63%に見られ、治療終了後にはグレード3の好中球減少が3.85%、グレード4の好中球減少が3.85%、グレード3の血小板減少が3.85%に認められた。また幹細胞動員を2回行ったのは、42.3%であった。

 これらの結果ならびに類似した治療を行ったM.D.Andersonの研究グループなどの結果から、Bergua氏は「腫瘍細胞の除去には、リツキシマブ単剤投与よりも、ASCT前のリツキシマブと化学療法の併用が効果的である」と述べた。