イタリアUniversity of TurinのGuisppe Saglio氏

 ニロチニブイマチニブに替わって、新規に診断された慢性骨髄性白血病CML)の慢性期患者に対するファーストライン治療薬となりうることが報告された。CMLの慢性期患者を対象に、ニロチニブとイマチニブの効果を、初めて直接比較したフェーズ3試験ENESTndの結果、示されたもの。ニロチニブの方が分子遺伝学的効果、細胞遺伝学的効果が有意に高く現れ、病状が進行するのは有意にニロチニブで少なかった。イタリアUniversity of TurinのGuisppe Saglio氏(写真)が、12月5日から8日までニューオーリンズで開催された第51回米国血液学会ASH 2009)で発表した。

 ENESTnd試験は35カ国217施設で行われたフェーズ3臨床試験で、ニロチニブ300mgを1日2回投与する群(ニロチニブ300mg群、282人)、ニロチニブ400mgを1日2回投与する群(ニロチニブ400mg群、281人)、イマチニブ400mgを1日1回投与する群(イマチニブ群、283人)に分けて行われた。主要評価項目は、投与12カ月時点での分子遺伝学的大寛解(MMR)率だった。副次評価項目は、12カ月時点での細胞遺伝学的完全寛解(CCyR)率だった。

 試験の結果、12カ月時点のMMR率は、ニロチニブ300mg投与群が44%、ニロチニブ400mgが43%、イマチニブ群が22%となり統計学的に有意(p<0.0001)にニロチニブ群の方が高かった。Sokalスコアによるリスク別に評価した場合でも、ニロチニブ群がイマチニブ群よりもMMR率が高かった。12カ月時点のCCyR率はイマチニブ群が65%だったのに対して、ニロチニブ300mg群が80%(p<0.0001)、ニロチニブ400mg群が78%(p=0.0005)とニロチニブ群の方が優れていた。

 AP/BC期への進行は、イマチニブ群では11人(3.9%)に起きたのに対して、ニロチニブ300mg群は2人(0.7%)、ニロチニブ400mg群は1人(0.4%)と有意に少なかった。

 一方、副作用はグレード3/4の血液学的副作用は3群で大差なく、非血液学的毒性はグレード3/4では差がなく、全グレードにすると吐き気、筋攣縮、下痢、嘔吐がニロチニブ群の方が少なく、皮疹、頭痛などはニロチニブ群の方が多かった。QT をFridericia 補正式により心拍数で補正したQTcFが500m秒以上となった患者は、今回の試験ではゼロだった。副作用で投薬中止となった患者の率はニロチニブ300mgが最も低かった。