ドイツUniversity Hospital in GiessenのMathias J. Rummel氏

 低悪性度の非ホジキンリンパ腫で、ベンダムスチンリツキシマブによる一次治療は、標準的治療であるR-CHOP療法よりも無増悪生存期間が有意に長く、完全寛解率も高くなることが明らかになった。ドイツで行われた多施設共同無作為化フェーズ3試験であるStiL試験の最終結果によるもの。成果は、12月5日から8日までニューオーリンズで開催された第51回米国血液学会(ASH 2009)で、ドイツUniversity Hospital in GiessenのMathias J. Rummel氏(写真)が発表した。

 ベンダムスチンは、ドイツでは非ホジキンリンパ腫、多発性骨髄腫、慢性リンパ性白血病などの治療薬として使用されており、米国では2008年3月に慢性リンパ性白血病治療薬として承認された。日本では、低悪性度非ホジキンリンパ腫を対象とした臨床試験が行われている。

 StiL (Study Group Indolent Lymphomas)試験は、CD20陽性の非ホジキンリンパ腫患者549人を対象に、一次治療としてベンダムスチンとリツキシマブを投与する群(R-ベンダムスチン群)とCHOP療法(シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾロン)とリツキシマブの併用療法を行う群(R-CHOP群)に無作為に割り付けた。試験の主要目的は、R-ベンダムスチン群のR-CHOP群に対する非劣性を検証することであった。

 R-ベンダムスチン群では、4週間置きにベンダムスチン90 mg/m2を第1日目と第2日目に投与し、リツキシマブ375mg/m2は第1日目に投与した。R-CHOP療法は3週間置きに行い、2群とも最大で6サイクル継続した。

 非ホジキンリンパ腫のタイプは、濾胞性リンパ腫が54%、マントル細胞リンパ腫は18%、辺縁帯B細胞リンパ腫が13%、ワルデンシュトレーム型マクログロブリン血症は8%、小リンパ球性リンパ腫(SLL)が4%などだった。

 評価可能だった513人において、観察期間中央値34カ月で、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値は、R-ベンダムスチン群が54.9カ月、R-CHOP群が34.8カ月と、20カ月の違いが見られた。ハザード比は0.57(95%信頼区間;0.43-0.76)、p値は0.00012となった。また完全寛解率がそれぞれ39.6%、30.0%と、R-ベンダムスチン群で有意(p=0.0262)に高く、寛解率はそれぞれ92.7%、91.3%だった。

 タイプ別でもPFSはほぼ同じ傾向を示し、濾胞性リンパ腫(p=0.0281)、マントル細胞リンパ腫(p=0.0146)、ワルデンシュトレーム型マクログロブリン血症(p=0.0024)では、有意にR-ベンダムスチン群が良好な結果を示した。

 有害事象はR-CHOP群で発現率が高く、グレード3/4の白血球減少がR-ベンダムスチン群では12.1%であるのに対し、R-CHOP群は38.2%、好中球減少がそれぞれ10.7%、46.5%、G-CSFの投与がそれぞれ4.0%、20.0%だった(いずれもp<0.0001)。また知覚異常が全グレードでR-ベンダムスチン群が18人、R-CHOP群は73人、口内炎が16人、47人、感染症が96人、127人、また脱毛はR-CHOP群で多かった。しかし紅斑はそれぞれ42人、23人、皮膚のアレルギー反応は40人、15人と、R-ベンダムスチン群で多く見られた。

 以上のことから、ベンダムスチンとリツキシマブの併用は、R-CHOP療法に比べて、血液毒性が低く、G-CSFの使用も少なく、また脱毛も少ないなど、忍容性に優れていることが示された。このためRummel氏は、「ベンダムスチンとリツキシマブ併用は濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫など低悪性度非ホジキンリンパ腫に対する第1選択薬になる可能性がある」と述べた。