イタリアUniversity of BolognaのMichele Baccarani氏

 未治療の慢性骨髄性白血病CML)の患者では、イマチニブ800mg/日の高用量投与は、治療開始から24カ月の時点で細胞遺伝学的完全寛解CCyR)、分子遺伝学的寛解MMR;major molecular response)、無再発生存率EFS)、無増悪生存率PFS)、全生存率OS)の改善にはつながらず、単位時間当たりの薬剤投与量DIdose intensity)が寛解率と相関する結果が示された。TOPS試験の24カ月の追跡結果から明らかになったもの。成果は、12月5日から8日までニューオーリンズで開催された第51回米国血液学会ASH 2009)で、イタリアUniversity of BolognaのMichele Baccarani氏(写真)が発表した。

 イマチニブは遺伝子のBcr-Abl、v-Abl、c-Ablのチロシンキナーゼ活性を阻害し、さらに血小板由来成長因子受容体(PDGFR)と幹細胞因子受容体(SCFR)のKITのチロシンキナーゼ活性も阻害する。

 TOPS試験は、未治療のCMLの慢性期患者を対象として、イマチニブ400mg/日投与群と800mg/日投与群の効果を比較するフェーズ3の無作為化試験。19カ国から103の施設が参加し、476人の患者が登録された。

 これまでの報告では、イマチニブ800mg/日投与の場合、400mg/日投与に比べて、MMRとCCyRに達するまでの時間が6カ月の時点までは早かったことが示されている。しかし、12カ月の時点ではMMRに有意差はなく、初回の標準投与量は400mg/日であることを裏付ける結果だった。

 今回の発表は、両群の転帰、DIや投与中止が転帰に与える影響についての24カ月の時点での報告である。

 イマチニブ400mg/日投与群には157人(年齢中央値45歳、男性53%)、800mg/日投与群には319人(同48歳、57%)が割り付けられた。診断からの期間の中央値はいずれも28日だった。Sokalスコアは、低リスクが400mg/日投与群で39%、800mg/日投与群で42%、中リスクがそれぞれ34%と35%、高リスクがそれぞれ27%と23%だった。

 追跡期間と治療期間の中央値は両群とも28カ月で、治療中の患者は400mg/日投与群で76%、800mg/日投与群で72%だった。

 MMRの割合を400mg/日投与群と800mg/日投与群でみると、12カ月ではそれぞれ39%と45%、18カ月では52%と47%、24カ月では54%と51%で、両群に有意差はなかった。

 CCyRの割合は、12カ月ではそれぞれ66%と70%、24カ月では両群とも76%で、やはり有意差はなかった。

 24カ月の時点での無再発生存率(EFS)は両群とも95%、無増悪生存率(PFS)はそれぞれ97%と98%、全生存率(OS)は97%と98%で、いずれも有意差はなかった。

 一方、グレード3以上の血液毒性で最も多かったのは好中球減少で、400mg/日投与群で18%、800mg/日投与群で28%に発現した。血小板減少はそれぞれ9%と20%だった。ほとんどが最初の12カ月の間に発生した。非血液毒性で多かったのは発疹で、400mg/日投与群で2%、800mg/日投与群で6%、下痢がそれぞれ1%と6%、悪心・嘔吐が2%と4%だった。

 DIの中央値は400mg/日投与群で400mg/日、800mg/日投与群で728mg/日だった。最初の12カ月の間に5日を超える投与中止が1回あったのは、400mg/日投与群で20%、800mg/日投与群で33%、2回以上あったのはそれぞれ14%と32%だった。

 投与中止が1回以下だった患者は、投与中止が2回以上あった患者よりもMMRに達する時間が有意に短く、CCyRの達成率も有意に高かった。またDIが600mg/日以上の患者は600mg/日未満の患者よりもMMRに達する時間が有意に短く、CCyRの達成率も有意に高かった。

 これらの結果は、DIが未治療のCML患者を高用量イマチニブで治療した場合の寛解と相関することを示唆する他の試験と一致していた。