米Texas大学MD Anderson Cancer CenterのJorge Cortes氏

 Bcr-Abl遺伝子T315Iという変異を起こした慢性骨髄性白血病CML)患者に対して、omacetaxine mepesuccinateという化合物が有効であることが報告された。多施設フェーズ2/3試験CML-202試験の結果、明らかになった。成果は2月5日から8日までニューオーリンズで開催されている第51回米国血液学会ASH 2009)で米Texas大学MD Anderson Cancer CenterのJorge Cortes氏(写真)によって発表された。

 イマチニブによる治療でも効果が現れない患者の約50%に、Bcr-Abl遺伝子の変異があるとされている。中でもT315Iという変異がある場合、既存のチロシンキナーゼ阻害剤が有効でないことが明らかになっており、T315I変異のある患者は予後が悪く問題となっている。

 omacetaxine mepesuccinateはリボソームの一部に結合して、たんぱく質伸長反応を阻害することで効果を発揮する。T315I変異のあるCMLにも効果がある可能性が指摘されていた。

 フェーズ2/3試験はT315I変異陽性でイマチニブの治療で効果が現れなかった患者を対象に実施されている。今回発表されたのは、81人の患者の結果。慢性期(CP)が49人、移行期(AP)が17人、急性転化期(BP)が15人だった。全員でイマチニブが有効ではなく、79%の患者は2つ以上のチロシンキナーゼ阻害剤が有効でなかった。

 患者には導入療法で、28日を1サイクルとして1.25mg/m2のomacetaxine mepesuccinateを1日2回皮下に14日間自己注射で投与された。維持療法では28日を1サイクルとして1.25mg/m2のomacetaxine mepesuccinateを1日2回皮下に7日間投与された。

 試験の結果、CP患者49人のうち、86%の患者が血液学的完全寛解(CHR)となった。またCP患者の41%で細胞遺伝学的効果が認められ、27%の患者が細胞遺伝学的大寛解(McyR)に到達した。

 AP患者の35%で血液学的効果が認められ、奏効期間の中央値は6.6カ月だった。BP患者の47%で血液学的効果が認められ、奏効期間の中央値は2カ月だった。

全生存期間中央値はCP患者群では未達で、AP患者群では18.8カ月、BP患者群では2.4カ月だった。

 一方、毒性はグレード3以上の非血液学的毒性で10%以上のものはなく、主な毒性は血液学的毒性だった。グレード3/4の血小板減少症は56%、貧血は37%、好中球減少症は38%、発熱性好中球減少症は16%に発現した。