ASKLEPIOS KlinikのNorbert Schmitz氏

 未治療のハイリスク高悪性度B細胞リンパ腫において、CHOP療法とエトポシド(CHOEP-14療法)およびリツキシマブの併用は、無イベント生存や全生存を改善することが、ドイツで行われたフェーズ3試験の中間解析で明らかになった。同時に、より高用量によるCHOPE療法(MegaCHOPE療法)は毒性が強く、有用性は低いことも分かった。12月5日から8日までニューオーリンズで開催されている第51回米国血液学会(ASH 2009)で、ドイツASKLEPIOS KlinikのNorbert Schmitz氏(写真)が発表した。

 フェーズ3試験(German High -Grade Non-Hodgkin Lymphoma Study:DSHNHL)は、CD20陽性高悪性度B細胞リンパ腫で、18〜60歳のハイリスク患者(年齢調整国際予後指標IPIが2または3)を対象に、CHOEP-14療法とMegaCHOPE療法、さらに各療法にリツキシマブを併用した場合の計4群を比較した。その後、ドイツの他の試験で化学療法へのリツキシマブ追加で良好な結果が得られたことから、リツキシマブを加えない群の試験は終了された。

 CHOEP-14療法は、2週置きに、シクロホスファミド750mg/m2、アドリアマイシン50mg/m2、ビンクリスチン2mg、プレドニゾロン500mg、さらにエトポシド300mg/m2を投与し、これを8サイクル行った。

 MegaCHOPE療法は、3週置きに、シクロホスファミド を1サイクル目は1500mg/m2、2〜3サイクル目には4500mg/m2、4サイクル目には6000mg/m2 、アドリアマイシンは全サイクルとも70mg/m2、ビン
クリスチン2mg、プレドニゾン500mg、エトポシドは1サイクル目に600mg/m2、2〜3サイクル目に960mg/m2 、4サイクル目に1480mg/m2を投与した。

 中間解析では、CHOEP-14療法にリツキシマブを加えた群(R-CHOEP-14群)が91人、MegaCHOEPにリツキシマブを加えた群(R-MegaCHOEP群)が94人で、CHOEP-14のみの群は15人、MegaCHOEPのみの群は16人を解析対象とした。

 完全寛解(CR/CRu)率はR-CHOEP-14群は79.1%、R-MegaCHOEP群は72.3%、部分寛解はそれぞれ2.2%、4.3%だった。また治療関連死がR-CHOEP-14群で1.1%、R-MegaCHOEP群は5.3 %だった。

 3年無イベント生存(EFS)率はR-CHOEP-14群で71.0%(95%信頼区間;61.0-81.0)、R-MegaCHOEP群は56.7%(95%信頼区間;45.9-67.5)だった。なお、イベントは、病勢進行、試験終了時で完全寛解が認められないこと、救済療法の開始、再発、全死亡と定義された。またリツキシマブを併用した2群(185人)の3年EFS率は63.8%だが、化学療法のみの2群(31人)では36.7%と低く(p=0.003)、リツキシマブによる効果が確認された。

 無増悪生存率はR-CHOEP-14群は 76.0 %(95%信頼区間;66.4-85.6)、R-MegaCHOEP群は64.6%(95%信頼区間;54.0-75.2)。3年生存率はR-CHOEP-14群は83.8%(95%信頼区間;76.0-91.6)、R-MegaCHOEP群は75.3%(95%信頼区間;65.9-84.7)だった。

 以上のことから、未治療の若年ハイリスク高悪性度B細胞リンパ腫患者に対するCHOEP -14療法とリツキシマブの併用は一次治療としてEFS、PFS、OSにおいて良好な結果を示したが、R-MegaCHOPE療法はR-CHOEP -14療法に比べて、有用性は認められなかった。このため、データ管理安全委員会と研究グループはR-MegaCHOPE群の治療中止を決定したという。