フランスSt. Louis HospitalのChristian Gisselbrecht氏

 再発・難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の救援療法として、リツキシマブICE療法の併用(R-ICE療法)と、リツキシマブとDHAP療法の併用は、同程度の寛解率が得られることが、多施設共同フェーズ3試験であるCORAL試験で明らかになった。ただし、R-ICE療法の方が有害事象は少ない傾向が見られた。12月5日から8日までニューオーリンズで開催されている第51回米国血液学会(ASH 2009)で、フランスSt. Louis HospitalのChristian Gisselbrecht氏(写真)が発表した。

 CORAL試験(Collaborative trial in relapsed aggressive lymphoma)は、CD20陽性で初回再発もしくは化学療法による一次治療抵抗性のDLBCL患者を対象に、リツキシマブとICE療法(イホスファミド・カルボプラチン・エトポシド)を併用する群(R-ICE療法群)とリツキシマブとDHAP療法(デキサメタゾン、Ara-C、シスプラチン)を併用する群(R-DHAP療法群)に無作為に割り付けた比較試験。

 R-ICE療法もしくはR-DHAP療法を3コース行った後、有効例(PR/CR)にはBEAM療法(BCNU(カルムスチン)、エトポシド、シタラビン、メルファラン)と自家幹細胞移植 (ASCT)を行った。その後、2度目の無作為化が行われ、維持治療としてリツキシマブを投与する群と経過観察群に割り付けた。

 最初の無作為化では400人が登録され、実際にR-ICE療法を受けた患者は197人、R-DHAP療法は191人だった。またBEAM療法とASCTを受けたのはR-ICE療法群では101人、R-DHAP療法群では105人であった。

 この結果、R-ICE療法群の寛解率は63.5%、R-DHAP療法群は62.8%で、2群間に有意な違いはなかった。末梢血幹細胞動員成功比率で調整した寛解率(MARR)も、R-ICE療法群は52.3%、R-DHAP療法群は54.5%とほぼ同じ結果だった。

 有害事象はR-ICE療法群の方が少ない傾向が見られた。グレード3/4の腎障害はR-ICE療法群が1%、R-DHAP療法群は6%、血小板輸血はそれぞれ35%、57%で、重篤な有害事象はそれぞれ90件、120件だった。

 予後因子として、診断から再発までの期間、年齢で調節した国際予後因子(aaIPI) 、リツキシマブによる前治療が抽出された。再発までの期間が12カ月未満の患者群の寛解率は46%、12カ月以上の患者群では88%(p<0.0001)と、早期の再発は予後悪化の因子になることが示された。aaIPIが1以下の患者の寛解率は52%、2以上では71%(p<0.0002)だった。またリツキシマブによる前治療のある患者群の寛解率は51%だが、前治療なしの患者群では83%(p<0.0001)であり、「リツキシマブ治療後の早期再発(治療抵抗性)は予後不良である」とした。

 以上のことから、「リツキシマブ治療後の早期再発例では、標準的な救済治療は有効とは言えず、新薬や新しいアプローチが求められる」とGisselbrecht氏は述べた。維持療法部分に関しては来年、詳細なデータを報告するとした。