スペインHospital Universitario de SalamanncaのMaria-Victoria Mateos氏

 65歳超の高齢者の多発性骨髄腫MM)に対して、ボルテゾミブ(V)、メルファラン(M)、プレドニゾン(P)の3剤併用療法(VMP療法)とボルテゾミブ、サリドマイド(T)、プレドニゾンの3剤併用療法(VTP療法)が導入療法として有効であることが明らかとなった。また、維持療法として、VT療法またはVP療法を行うことも有用であることが示された。Spanish Myeloma Groupが立ち上げた多施設無作為化前向きフェーズ3試験の結果、判明したもの。成果は12月5日から8日までニューオーリンズで開催される第51回米国血液学会ASH 2009)でスペインHospital Universitario de SalamanncaのMaria-Victoria Mateos氏(写真)によって発表された。

 現在は、高齢者のMMにはメルファランとプレドニゾンを併用投与するMP療法が一般的に行われている。今回の成果は、今後の治療方針を変える可能性がある。

 フェーズ3臨床試験は、2005年4月から2008年10月までに260人の患者をVMP療法を6サイクル受ける群(VMP群、130人)とVTP療法を6サイクル受ける群(VTP群、130人)に割り付けて行われた。各群は、さらに維持療法としてVT療法を受ける群とVP療法を受ける群にそれぞれ分けられ、維持療法は最長3年間まで行われた。

 VMP群では、1サイクルを6週間としてボルテゾミブ1.3mg/m2が6週間を1サイクルとして1日目、4日目、8日目、11日目、22日目、25日目、29日目、32日目に投与された。その後、5週間を1サイクルとしてボルテゾミブ1.3mg/m2が1日目、8日目、15日目、22日目に投与され、5サイクル行われた。経口メルファラン9mg/m2と60mg/m2のプレドニゾンは各サイクルの1日目から4日目まで連日投与された。

 VTP群では、ボルテゾミブとプレドニゾンはVMP群と同様で、メルファランの代わりにサリドマイドが61週間サイクルの15日目まで50mgが投与され、その後毎日100mgが投与された。それぞれ6サイクル終了した後、維持療法に移った。維持療法は、3カ月置きにボルテゾミブ1.3mg/m2を1日目、4日目、8日目、11日目に投与し、毎日サリドマイド50mgを併用投与するVT群と1日置きにプレドニゾン50mgを併用投与するVP群に分けられた。

 試験の結果、VMP群の寛解率は80%、VTP群の寛解率は81%で両群ともに良好な結果を得た。完全寛解(CR)と完全寛解に近い状態(nCR)を合わせた率もVMP群が32%、VTP群が37%と共に高かった。

 副作用については、導入療法ではグレード3以上の好中球減少症の発現はVMP群39%、VTP群22%とVMP群の方が高くなった。血小板減少症もVMP群が27%、VTP群が12%、感染症もVMP群で7%、VTP群で1%未満とVTP群で多かった。一方、グレード3以上の循環器イベントがVTP群で8%で出現したが、VMP群には発生しなかった。またVMP群では、5%の患者がグレード3以上の末梢神経障害を起こしたのに対して、VTP群では9%の患者で起きた。

 また、維持療法が導入されたVT群(91人)のCRとnCRを合わせた率は59%、VP群(87人)は55%でどちらも維持療法終了時点よりも上昇した。維持療法の副作用は全体的に少なく、グレード3/4の末梢神経障害もVP群で2%、VT群で5%に起きただけだった。

 全体としてフォローアップ期間中央値24カ月で、増悪までの時間(TTP)が3年間あった患者の率は53%だった。無増悪生存期間(PFS)中央値は33カ月、3年全生存率は75%となった。VMP群のPFS中央値は34カ月、VTP群のPFS中央値は23カ月だった。VMP群の3年全生存率はVMP群が80%、VTP群が64%だった。維持療法は、VT群の方がVP群よりもPFSを延長させる傾向があった。導入療法と維持療法の組み合わせ4種類を比較すると、VMP-VT群のPFS中央値の方がVTP-VP群のPFS中央値よりも統計学的に有意に優れていた。また、ボルテゾミブを用いた方法は、細胞遺伝学的異常のハイリスク患者の予後不良を改善することも示された。