ドイツMicromet社のDirk Nagorsen氏

 単鎖二特異性抗体であるBlinatumomabが、低悪性度の濾胞性リンパ腫マントル細胞リンパ腫に有効である可能性が明らかになった。フェーズ1試験の結果、単剤での有効性が示されたもの。成果は12月5日から8日までニューオーリンズで開催される第51回米国血液学会ASH 2009)で、ドイツMicromet社のDirk Nagorsen氏(写真)によって発表された。

 Blinatumomabは、B細胞上に存在するCD19とT細胞上に存在するCD3の2つを認識する抗体製剤で、T細胞をB細胞性のリンパ腫に誘導し、攻撃させることを狙った製剤。

 フェーズ1試験は、50人の濾胞性リンパ腫患者とマントル細胞リンパ腫患者を対象にBlinatumomabを1日当たり0.5μg/m2から90μg/m2まで、一定量を4週間もしくは8週間持続的に静脈内投与した。

 50人中12人が神経学的な毒性で投薬を中止せざるを得なかったが、副作用は投与開始後2日以内に起こった。この副作用は、T細胞の脳血液関門(BBB)近傍での活性化によることが原因と考えられ、T細胞とB細胞の比率が8対1以下の患者では1日当たり15μg/m2以上の投与で神経毒性が生じる場合があったのに対して、8対1以上の患者では90μg/m2で初めて神経毒性が生じた。

 1日当たり60μg/m2投与した13人の濾胞性リンパ腫患者とマントル細胞リンパ腫患者では、可逆的な神経毒性が発生したために、早期に投薬中断となった1人を除き全員に奏効が認められた。5人が完全奏効(CR)で7人が部分奏効となった。

 最初の投薬での神経毒性を軽減させるために、4人の患者で1週目から2週目は1日当たり5μg/m2
ら15μg/m2を投与し、その後60μg/m2の投与を継続するという方法がとられた。その結果、神経毒性
の副作用を軽減しながら、中断なしで全員奏効させることができた。

 1日当たり90μg/m2投与した4人の患者では、2人に神経毒性の用量制限毒性が認められた。