米Oregon Health & Science UniversityのMichael Deininger氏

 慢性骨髄性白血病CML)の慢性期患者へのイマチニブ投与は、8年間継続投与でも安全に投与できることが明らかになった。また、投与開始後3カ月目、6カ月目、12カ月目、18カ月目の細胞遺伝学的効果は、予後予測因子になることが分かった。CML患者にイマチニブを投与した場合とインターフェロンIFN)にシタラビンAra-C)を加えて投与する場合を比較した国際試験、IRIS試験の8年間フォローアップの結果、明らかになったもの。成果は12月5日から8日までニューオーリンズで開催される第51回米国血液学会(ASH 2009)で、米Oregon Health & Science UniversityのMichael Deininger氏(写真)によって発表された。

 今回の発表では、イマチニブ群に割り付けられた553人の患者についての解析結果が報告された。304人(55.0%)はファーストラインとして現在もイマチニブの継続投与を受けており、249人(45.0%)はイマチニブのファーストラインとしての使用を中止していた。副作用(血液検査異常を含む)で中止したのは30人(5.4%)だけで、治療効果不十分で中止したのは77人(13.9%)だった。死亡は16人(2.9%)だけだった。8年間の見積もり無イベント生存率は81%で、CML関連死に限ると93%となった。8年目ではAP期/BC期に1人が移行し、非CML関連死が2人いた。

 553人のうち細胞遺伝学的大寛解(McyR)に到達した患者は89%、細胞遺伝学的完全寛解(CCyR)に到達した患者は83%だった。CCyRに到達した457人のうち82人(18.0%)が投薬中にCCyRの範囲から逸脱(悪化)し、15人(3.3%)がAP/BC期に移行した。

 細胞遺伝学的効果と予後の関連性を調べたところ、3カ月時点でCCyRに到達した患者がCCyRの状態を維持する率は、3カ月時点で細胞遺伝学的部分寛解(PCyR)あるいは細胞遺伝学的小寛解(minor CyR)に到達した患者がCCyRを安定的に維持する率よりも高かった。3カ月時点で細胞遺伝学的微小寛解(minimal CyR)患者あるいは細胞遺伝学的無反応(no CyR)の患者では、安定CCyRに到達する率とイベント発生率は同等だった。

 6カ月目でCCyRまたはPCyRの患者では、安定CCyRに移行する率がイベントが発生する率よりも高かった。12カ月時点でCCyRまたはPCyRの患者では、イベントが発生する率よりも安定CCyRになる率が高かった。18カ月時点でCCyRに到達していない患者では、安定CCyRになる率とイベント発生率が同等だった。

 なお、12カ月時点で分子遺伝学的大寛解(MMR)の患者では、1人もAP/BC期に移行していない。12カ月時点でMMR、CCyRとなった患者では、長期間増悪またはイベント発生のリスクは低いことが分かった。

 Deininger氏は「適当な時期に細胞遺伝学効果を見極め、薬剤を変更するなどの決断が必要だ」と語った。