Indiana University Simon Cancer CenterのN. M. Hahn氏

 転移性尿路上皮癌に対してGC療法(シスプラチン+ゲムシタビン)は有効だが、さらにベバシズマブを追加することで、高い抗腫瘍効果が確認され、生存期間も延長する可能性があることがフェーズ2試験で明らかになった。ただし、血栓症などによる投与中止があり、毒性に注意が必要であることも示唆された。この結果は、5月29日から6月2日にオーランドで開催されている米国臨床腫瘍学会(ASCO2009)でIndiana University Simon Cancer CenterのN. M. Hahn氏(写真)らが発表した。

 対象は、化学療法による治療歴のない転移性もしくは手術不能の尿路上皮癌患者45人。初回治療として、3週置きにシスプラチン(70 mg/m2)を1日目に、ゲムシタビン(1250 mg/m2)を1日目と8日目に静注し、これを8サイクルまで継続した。ベバシズマブ(15 mg/kg)は1日目に静注し、最長で1年まで続けた。ただし、治療中に深部静脈血栓症(DVT)あるいは肺塞栓症(PE)が発生したため、ゲムシタビンは1000 mg/m2に減量された。

 治療回数の中央値は6サイクルで、30%の患者がベバシズマブによる維持治療に移行した。追跡期間中央値は14.6カ月(2〜37カ月)であった。
 
 主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)は8.2カ月(95%信頼区間6.5-10.0)、1年PFS率は29%だった。試験は当初、GC療法のPFSが7.5カ月と報告されていることから、ベバシズマブを追加することで11.25カ月に延長し、33%の改善が得られると設計されていた。そのため、今回の結果は主要評価項目に達しなかったことになる。
 
 しかし、全生存期間の中央値は19.1カ月(同11.5-23.4)で、GC療法を超える結果であった。1年生存率は65%だった。抗腫瘍効果は、CRが14%(95%信頼区間5-28)、PRが44%(同29-60)、SDは30%(同17-44)と、高い奏効性を示した。

 毒性は43人について評価された。主な血液毒性は、グレード3/4の好中球減少が35%、発熱性好中球減少が2%、貧血が12%で、非血液毒性はグレード3/5のDVT/PEが21%、出血が7%、高血圧が5%に認めた。

 試験では投与中止の基準を、グレード4の発熱性好中球減少、5日を超えるグレード4の好中球減少、グレード4の血小板減少、支持療法をしても軽減しないグレード4の嘔吐、グレード3/4の神経毒性、そのほか投与継続に影響するグレード3/4の毒性と定義していた。その結果、全患者の42%で毒性による投与中止が行われた。

 投与中止基準の毒性は投与初期に認めら、1〜2サイクルで39%、3〜4サイクルで28%が発生していた。DVT/PEは4サイクルまでに見られ、特に1〜2サイクルで67%と高かった。

 これについて、ディスカッサントとして登壇したスペインUniversity Hospital del MarのJoaquim Bellmunt氏は、毒性のために早期に投与が中止され、それによってPFSの延長が見られなかった可能性を指摘した。また毒性リスクと臨床効果を検討するため、GC療法+ベバシズマブとGC療法+プラセボを比較するフェーズ3試験(CALGB 90601)が計画されているという。