米Allegheny総合病院のNorman Wolmark氏

 ステージIIまたはIIIの大腸癌患者に対する術後補助療法の標準となっているmFOLFOX6(フルオロウラシル/l-ロイコボリン/オキサリプラチンの併用)にベバシズマブ5mg/kgを追加することにより、mFOLFOX6に優る無病生存率が得られるかどうかを調べたフェーズ3試験の3年間の追跡データは、ベバシズマブの利益を示せなかった。米Allegheny総合病院のNorman Wolmark氏(写真)が5月31日、ASCO2009で報告した。

 ベバシズマブを術後補助療法に追加した場合の利益を調べる臨床試験はほかにも進行中だが、今回の分析は追加投与に利益なしを初めて示した。

 前向きの無作為化フェーズ3では、早期大腸癌患者2710人を登録し、mFOLFOX6+ベバシズマブ(mFF6+B)またはmFOLFOX6(mFF6)に割り付けた。外科的切除後、mFF6を6カ月実施。mFF6+B群には、当初の6カ月はmFF6とベバシズマブを併用、その後6カ月間はベバシズマブのみを投与した。ベバシズマブの投与期間の中央値は11.5カ月だった。

 両群のベースラインの患者特性は同様で、患者のうちわけはステージIIが24.9%、ステージIIIの1-3が45.5%、ステージIIIの4+が29.6%だった。

 主要評価項目は、初回再発、2次原発癌の発生、または死亡(これらをDFSイベントとする)までの期間、すなわち無病生存期間(DFS)に設定された。

 2004年9月から2006年10月まで、脱落した患者を除く2672人(mFF6+Bが1338人、mFF6が1334人)を追跡。追跡期間の中央値は35.6カ月になった。

 mFF6+B群のDFSイベント発生は291人、mFF6群では312人で、3年時の無病生存率はそれぞれ77.4%と75.5%になった。mFF6と比較したmFF6+Bのハザード比は0.89(95%信頼区間0.76-1.04、p=0.15)で有意差はなかった。

 治療開始からの打ち切り例を考慮して累積ハザード値を求めた。1年時のハザード比は0.60(p=0.0004)でベバシズマブの利益を示した。しかし、1.5年時は0.74(p=0.004)、2年時は0.81(p=0.02)、2.5年時は0.85(p=0.05)、3年時は0.87(p=0.08)となり、時間経過とともに両群の差は小さくなった。

 患者を病期で層別化してベバシズマブ追加による利益を調べたが、ステージII、ステージIIIのいずれにおいても有意な差は見られなかった。

 腫瘍がベバシズマブのような抗血管新生治療に対する抵抗性を獲得、その後再発を見る可能性が指摘されているが、個々のDFSイベントの件数を両群間で比較したところ、再発、死亡、2次原発癌のすべてについて差は有意ではなかった。従って、そうした抵抗性の獲得が3年間のDFSに有意差なしという結果をもたらしたのではないことが示唆された。

 予想を超える有害事象は見られず、ベバシズマブの忍容性は高かった。

 早期大腸癌に対する術後補助療法へのベバシズマブ追加は、ベバシズマブ使用期間の無病生存率を有意に上昇させた。しかし、3年間のDFSに対する利益は認められなかった。