アルゼンチンEli Lilly InteramericaのM. Orlando氏

 非扁平上皮非小細胞肺癌(NSCLC)の特性について、ペメトレキセドとシスプラチンの併用(PC)またはゲムシタビンとシスプラチンの併用(GC)で治療した群を比較した試験「Scagliotti JCO 2008」を基に解析した結果、統計学的有意差はなかったものの、PCで治療した東アジア人の非扁平上皮NSCLCの患者で喫煙歴がない場合、生存期間は延長する傾向にあった。5月29日〜6月2日に米国オーランドで開催されている第45回米国臨床腫瘍学会(ASCO)のGeneral Poster Sessionで、アルゼンチンEli Lilly InteramericaのM. Orlando氏(写真)が発表した。

 東アジア人であることは、化学療法およびEGF受容体チロシンキナーゼ阻害薬EGFR-TKIのいずれの臨床試験でも、NSCLCの治療における良好な予後因子であることが知られている。

 「Scagliotti JCO 2008」は、最近実施された進行性NSCLC患者でファーストラインのPCと、GCを比較する第III相非劣性試験。PC群ではペメトレキセド500mg/m2とシスプラチン75mg/m2を治療第1日に投与し、GC群ではゲムシタビン1250mg/m2を治療第1日と8日、シスプラチン75mg/m2を治療第1日に投与し、各サイクルを3週ごとに6サイクルまで繰り返した。

 Orlando氏らは、NSCLCの治療における良好な予後因子である「東アジア人」の患者特性を把握するため、本試験「Scagliotti JCO 2008」のデータを解析した。

 対象全体は1725人で、年齢中央値61.0歳、男性70%、ステージIIIB/IVは24%/76%などとなっていた。そのうち、韓国と台湾から登録した患者のみとした東アジア人は126人だった。こちらは、年齢中央値が61.0歳、男性62%、ステージIIIB/IVは19%/81%などだった。

 PC群のGC群に対する全生存期間(OS)の中央値をみたところ、集団全体では10.3カ月対10.3カ月(ハザード比0.94、95%信頼区間0.84-1.05)だったが、東アジア人では17.1カ月対16.5カ月(ハザード比0.84、95%信頼区間0.51-1.36)となった。

 非扁平上皮NSCLC患者に限ってみると、PC群のGC群に対する全生存期間(OS)の中央値は、集団全体では11.0カ月対10.1カ月(0.74-0.96)だったのに対し、東アジア人では21.2カ月対17.7カ月(0.39-1.24)とPC治療群の方が有意に良い成績だった(p<0.05)。

 一方、喫煙の状態で定義されるサブグループ解析では、東アジア人の場合で、PC治療の非扁平上皮NSCLCの患者で、かつ喫煙歴がない患者の生存期間は延長していた。ただし、統計学的有意差はなかった。

 本解析から演者らは、「東アジア人では、PCで治療した場合、非扁平上皮癌患者の転帰が改善されたことが分かった」と結論した。


【訂正】
第6段落、第7段落で、全生存期間の単位が「%」になっていましたが、正しくはすべて「カ月」でした。お詫びして上記のように訂正します。