M. D. Anderson Cancer CenterのRoy S. Herbst氏

 進行性非小細胞肺癌(NSCLC)に対するセカンドライン治療として、vandetanibドセタキセルの併用は安全で、無増悪生存期間を延長させ、さらに肺癌に特有の症状も軽減することが、無作為化二重盲検フェーズ3試験「ZODIAC」で明らかになった。5月29日から6月2日にオーランドで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO2009)で、M. D. Anderson Cancer CenterRoy S. Herbst氏(写真)らが発表した。

 Vandetanib (ZD6474)はEGFRやRET、VEGFRに対する阻害活性をもつチロシンキナーゼ阻害剤で、癌細胞の増殖や血管新生を抑制する。わが国でもNSCLCを対象にフェーズ3試験が進行中だ。

 ZODIAC試験は、化学療法が不応となったステージIIIB/IVのNSCLC患者を対象とし、2006年5月から2008年4月までに1391人が登録された。vandetanib (100mg/日)とドセタキセル(3週置きに75mg/m2)を投与するvandetanib+ドセタキセル群(694人)と、プラセボとドセタキセルを投与するプラセボ+ドセタキセル群(697人)に無作為に分けた。フォロー期間は中央値で12.8カ月、87%の患者で症状が進行し、59%が死亡した。

 主要評価項目であるPFSの中央値は、vandetanib+ドセタキセル群で4.0カ月、プラセボ+ドセタキセル群は3.2カ月、ハザード比は0.79(97.58%信頼区間0.70-0.90、p<0.001)と、vandetanibの追加投与でPFSは有意に改善した。また女性(421人)だけで見てもほぼ同様の効果が認められ、ハザード比0.79(p=0.024)で、プラセボ+ドセタキセル群のPFS中央値は4.2カ月だが、vandetanib +ドセタキセル群は4.6カ月とやや良好な結果を示した。試験には日本と中国も参加しており、これらの治療効果は、アジアでも同様の傾向を示したという。

 奏効率(ORR)はvandetanib +ドセタキセル群では17%、プラセボ+ドセタキセル群では10%(p<0.001)、6週間以上の病勢コントロール率はそれぞれ60%、55%であった(p=0.060)。全生存は統計的に有意ではなかったが、vandetanib +ドセタキセル群で10.6カ月、プラセボ+ドセタキセル群は10.0カ月と、併用群でやや良好な結果を示した (ハザード比0.91、97.52%信頼区間 .78-1.07、p=0.196)。

 さらに試験では、FACT-Lを用いて、肺癌の症状(息切れ、体重減少、思考、咳、食欲、胸部圧迫感、呼吸)を評価したところ、vandetanib +ドセタキセル群の方が有意に改善していた(ハザード比0.77、p<0.001)。

 安全性に関しては、新たな有害事象の発現は見られなかった。グレード3以上の主な有害事象は、好中球減少がvandetanib+ドセタキセル群で29%、プラセボ+ドセタキセル群で24%、発熱性好中球減少はそれぞれ9%、7%、発疹は9%、1%、呼吸困難が6%、7%で、倦怠感が5%、5%、下痢が5%、4%だった。喀血は各群1人だった。 心毒性については、QTc延長がvandetanib+ドセタキセル群で2%未満に認められた。

 これらの結果から演者らは、既治療のNSCLC患者において、vandetanibを標準的な化学療法に追加投与することによって、有意な臨床効果が示されたと結論づけている。