中国Peking University School of OncologyのJian Li氏

 消化管間質腫瘍GIST)の完全切除例に対して、3年間のイマチニブによる術後補助療法を行った第II相試験の結果、再発リスクが有意に低下し、特に高リスク患者で有効性が高いことがで明らかになった。5月29日から6月2日にオーランドで開催されている米国臨床腫瘍学会(ASCO2009)で、中国Peking University School of OncologyJian Li氏(写真)らが発表した。

 研究グループは、中リスクもしくは高リスクで完全切除を行ったGISTを対象に、単施設オープン非無作為化比較試験として、イマチニブによる術後補助療法を行う群(56例)と、投与を拒否したため経過観察のみとした対照群(49例)を比較検討した。術後補助療法群は術後2週間以内からイマチニブ400mg/日を投与開始し3年間の投与期間を設定した。

 追跡期間中央値は30カ月(12〜62カ月)、治療期間中央値は20カ月(12〜36カ月)であった。試験の主要目的である無再発生存(RFS)は、1年RFSが術後補助療法群で100%、対照群では89.8%、2年RFSは術後補助療法群で94.4%だったのに対し対照群では60%で、術後補助療法群で有意に高率だった(p<0.001)。ハザード比は0.13(95%信頼区間 0.039-0.438, p<0.001)となった。

 さらに高リスク患者に限ってみると、2年RFSは術後補助療法群で91.5%、対照群では46.2%、ハザード比は0.107(95%信頼区間 0.031-0.370、p<0.001)であり、「イマチニブの術後補助療法は高リスク患者でより有効であった」とLi氏は語った。

 また、c‐kit遺伝子変異が49例で解析され、c‐kit遺伝子エクソン11変異のある患者のうち、術後補助療法群(15例)では再発例はなく、対照群(21例)では10例が2年以内に再発もしくは転移再発し、2.5年までにさらに2例が転移再発した。このため、「エクソン11変異のある患者ではイマチニブによる術後補助療法によるベネフィットが得られる」とした。

 安全性については、グレード3/4では倦怠感が1例、発疹が2例、顆粒球減少が3例に見られたが、グレード1/2の有害事象がほとんどであり、忍容性が認められた。
 
 これらの結果から演者らは、イマチニブによる術後補助療法は、中リスクもしくは高リスクのGIST患者において、1年および2年の無再発生存を改善することができるとした。