University of Miami/Sylvester Cancer Center のStefan Gfuck氏

 転移性乳癌を対象にカペシタビンドセタキセルの併用療法とドセタキセル単独療法を比較したフェーズ3試験の結果、エストロゲン受容体(ER)陽性患者でより明確に併用療法群の生存期間が延長することが示された。5月29日から米オーランドで開かれている米臨床腫瘍学会ASCO2009)のポスターセッションでUniversity of Miami/Sylvester Cancer CenterStefan Gfuck氏が発表した。

 ドセタキセルにカペシタビンを加えた併用療法は、ドセタキセル単独療法に比べて病状の進行、生存期間が延長することは過去の試験から示されているが、ERと治療効果に関する解析は行われていなかった。

 同試験は、進行性あるいは転移性乳癌を対象に、カペシタビンとドセタキセルとの併用療法とドセタキセル単剤療法とを比較したオープンラベルの無作為化フェーズ3臨床試験。試験は治療サイクルの1日目にドセタキセル75mg/m2を投与するのに加えてカペシタピン1250mg/m2を1〜14日目に投与する併用群とドセタキセル単独100mg/m2を1日目に投与する群とに無作為に振り分けられた。1サイクルは21日だった。この試験において、両群におけるエストロゲン受容体の状態と生存期間との関連性について、レトロスペクティブに解析した。

 対象となった患者506人を解析したところ、ERの状態が明らかとなったのはそのうち356人。カペシタビン+ドセタキセル群でER陽性患者は90人、ER陰性患者は88人。ドセタキセル単独群におけるER陽性患者は95人でER陰性患者は83人だった。

 ER陽性患者における生存期間の中央値はカペシタビン併用群で538日、ドセタキセル単独群が379日となり、ハザード比は0.63(95%信頼区間 0.47-0.89)で併用群が有意に生存期間を延長した。またER陰性患者における生存期間の中央値は併用群で329日、単独群で301日となり、ハザード比は0.90(95%信頼区間 0.65-1.24)で、統計学的には有意ではなかったが、併用群に長い傾向が見られた。 

 安全性に関しては、ERの発現による明確な差はなかった。ER陽性患者で有害事象が現れたのは、カペシタビンとの併用療法群で79人、ドセタキセル単独群88人。ER陰性患者では併用群で92人で単独群79人だった。主な有害事象は、好中球減少、下痢などで、手足症候群はカペシタビン併用群の方が単独療法群より多かった。

■訂正
6月1日に以下を訂正しました。
・3段落目の3行目に「カペシタピン125mg/m2を」とあるのは「カペシタピン1250mg/m2を」の誤りでした。お詫びして訂正します。