チロシンキナーゼ阻害剤であるニロチニブが、イマチニブ抵抗性もしくは不耐容の移行期の慢性骨髄性白血病患者(CML)に対して有効な治療選択肢になることが、フェーズ2試験における2年以上の長期成績で明らかになった。5月29日から6月2日にオーランドで開催されている第45回米国臨床腫瘍学会・年次集会(ASCO2009)で、ドイツCharité - Universitätsmedizin BerlinのPhilipp D. Le Coutre氏らが発表した。5月29日に発表された慢性期CMLの長期成績に続き、移行期の患者でも有効性が確認されたことになる。

 本試験では、移行期のCML患者137人を対象に、ニロチニブを1日2回400mg投与した。400mgの投与で十分な治療効果が得られず、安全上の問題がない場合には1日2回600mgまで増量投与した。試験登録前までにイマチニブ600mg/日以上の治療を受けていた患者は79%を占めていた。

 ニロチニブによる治療期間中央値は264日(2〜1160日)で、ニロチニブのdose intensity中央値は780mg/日だった。投与を中断した患者は56%を占めたが、累積した投与中断期間は中央値で26日と短かった。

 24カ月の時点で、主要評価項目である血液学的完全寛解(CHR)が31%の患者に認められ、細胞遺伝学的寛解(MCyR)は32%、細胞遺伝学的完全寛解(CCyR)は21%だった。血液学的寛解(HR)は中央値で投与後1カ月で見られ、MCyRは2.8カ月と、ニロチニブの効果は早期に認められることが示された。また、MCyR の患者のうち、24カ月までMCyRが持続した患者が66%を占め、2年生存率は66%であった。

 安全性については、グレード3/4の有害事象は、血小板減少が43%、好中球減少が42%、貧血が27%に見られたが、いずれも管理可能であったとした。このほか、グレード3/4のリパーゼ上昇は19%、低リン酸血症が14%、総ビリルビン上昇が10%であり、グレード3/4の非血液学的有害事象は僅かで、吐き気、倦怠感と下痢はいずれも1%未満であった。

 以上の結果から、イマチニブ抵抗性もしくは不耐容の移行期のCML患者において、ニロチニブの効果は迅速であり、継続的な血液学的および細胞遺伝学的効果を示したと結論付けている。

 ニロチニブは、わが国では今年1月、イマチニブ抵抗性の慢性期または移行期のCML治療薬として、ノバルティス ファーマ社が製造販売承認を取得している。