初発慢性期にあるフィラデルフィア染色体陽性慢性骨髄性白血病(CML)の患者における、ニロチニブの良好な忍容性と細胞遺伝学的および分子遺伝学的寛解の早期な達成が報告された。イタリアInstitute of Hematology SeragnoliのGiovanni Martinelli氏が、5月29日から6月2日に米国オーランドで開催されている第45回米国臨床腫瘍学会(ASCO2009)のGeneral Poster Sessionで発表した。

 ニロチニブは、ニロチニブはBcr-Ablチロシンキナーゼに対する高い選択性と強い阻害活性を併せ持つ第二世代のチロシンキナーゼ阻害剤として、国内では今年(2009年)1月、イマチニブ抵抗性CMLに適応を取得している。

 Martinelli氏らにより、GIMEMA(Gruppo Italiano Malattie Ematologiche dell'Adulto) CML Working Partyにおいて、未治療のECPのCML患者におけるニロチニブ400mgの1日2回投与の有効性と安全性を検討するための第II相多施設共同試験が実施された。

 対象は、2007年6月〜2008年2月に本試験に登録した初発のCML患者73人(年齢中央値51歳、18-83歳)。フォローアップ期間の中央値は210日であった。

 73人の対象全員が3カ月、48人(66%)が6カ月の治療を完了した。3カ月と6カ月の時点での奏効率をみると、血液学的完全寛解(CHR)達成率は100%と98%、細胞遺伝学的完全寛解(CCgR)達成率は78%と96%であった。分子遺伝学的寛解(MMR)達成率は治療1カ月後で3%であったが、この割合は経時的に増加し、2カ月後に22%に、3カ月で59%、6カ月で74%となった。1人は6カ月の時点でT3151変異を伴う移行期・急性転化期に進行した。

 1日の平均投与量の中央値は予定投与量に近い789mgであった。73人中34人(47%)は一度以上ニロチニブを中止しており、中止期間の中央値は15日であった。6カ月の時点のニロチニブの投与量は、44人(60%)が400mgを1日2回、12人(16%)が300mgを1日2回、14人(19%)が400mgを1日1回、3人(5%)が400mg未満または200mgを1日1回であった。

 グレード3以上の有害事象については適切な用量の調節で管理可能であった。血液毒性を現在までに4人(5%)に認めた。最も頻度が高かった生化学検査値のグレード3の異常は、総ビリルビン値の上昇(22%)、GOT/GPT上昇(15%)、リパーゼの上昇(7%)であった。

 48人の6カ月以上のフォローアップにおいて、グレード2および3の非血液学的な有害事象は、最初の3カ月で発生した29%と25%から、次の3カ月で16%と18%となり、顕著な発現率の減少が見られた。16人(22%)の患者では一過性で臨床的には問題がないECGの異常が記録され、2人(3%)には一過性のQTcの延長(>450m秒、<499m秒)を認めた。

 Martinelli氏は「初発フィラデルフィア染色体陽性CMLの患者では、ニロチニブによる細胞遺伝学的および分子的遺伝学的寛解は、イマチニブより早期に得られる」と結論している。