転移性腎細胞癌mRCC)の全生存期間OS)の予後因子について、スニチニブ治療群とインターフェロンαIFN-α)治療群で検討したところ、LDH補正カルシウム値、診断から治療までの間隔、ヘモグロビン値などが同定された。米Memorial Sloan-Kettering Cancer Center(MSKCC)のSujanta Patil氏が、5月29日から6月2日まで、米国オーランドで開催されている第45回米国臨床腫瘍学会・年次集会(ASCO2009)で発表した。

米Memorial Sloan-Kettering Cancer Center(MSKCC)のSujanta Patil氏

 mRCCに対するファーストライン治療として、スニチニブとIFN-αの無増悪生存期間(PFS)と奏効率は、それぞれ11カ月と5カ月、47%と12%であり、スニチニブが上回ることが第3相試験で証明されている。スニチニブのOSの中央値は2年を超える。

 スニチニブの第3相試験では、750人の未治療のmRCC患者を、スニチニブ投与群とIFN-α投与群に1:1で無作為に割り付けた。主要評価項目をPFSとした。

 Patil氏らは本試験のデータから、mRCCのファーストライン治療としてのスニチニブとIFN-αについて、OSの予後因子を解析した。Cox比例ハザードモデルを使用して、ベースラインの予後の変数について、各治療群で単変量モデルおよび多変量モデルで評価した。MSKCCのリスクグループの層別化で使用されている因子も含め、すでに同定されている予後因子とその他の因子を検討した。

 ただし、本試験ではPFSが中間解析の結果に適合した後、IFN-α群の患者をスニチニブ群にクロスオーバーすることを許可しているため、IFN-α群の予後因子の解析に影響する可能性がある点に注意を要する。

 対象をMSKCCのリスク基準でスニチニブとIFN-αを投与した患者を分類すると、favorable riskはそれぞれ143人(38%)と121人(32%)、intermediate riskは209人(56%)と212人(57%)、poor riskは23人(6%)と25人(7%)となった。

 OSの予後因子の多変量解析では、スニチニブ群ではLDH、補正カルシウム値、診断から治療までの間隔(1年以上または1年未満)、ヘモグロビン値、ECOG PS(0対1)、骨転移(あり対なし)が、IFN-α群では、LDH、補正カルシウム値、診断から治療までの間隔、ヘモグロビン値、骨転移、リンパ節転移(あり対なし)、絶対好中球数(ANC)、性別(男性対女性)が同定された。ヘモグロビン値以外の変数のハザード比はいずれも1を超え、この場合、連続変数では変数が減少すればOSの延長に対するリスクが低下し、二値変数では最初のカテゴリーに対し同リスクが低下することを示す。

 スニチニブ群で同定されたOSの5つの予後因子、すなわちLDH、補正カルシウム値、診断から治療までの間隔、ヘモグロビン値、ECOG PSはMSKCCのリスクの層別化で同定された因子と一致した。そのうちECOG PSを除く4つはIFN-α群でも同定された。骨転移の有無についてはMSKCCのモデルでは同定されていなかったが、両治療アームともに第5位の共通する因子となった。