切除不能腎細胞癌に対するBAY 73-4506のフェーズ2臨床試験で有効性と安全性に関する有望な結果が示された。5月29日からオーランドで始まった第45回米国臨床腫瘍学会・年次集会(ASCO2009)のポスターセッションで、University of CambridgeおよびAddenbrookes's Hospitalの腫瘍内科医Tim Eisen氏が発表した。

University of Cambridge、Addenbrookes's Hospitalの腫瘍内科医Tim Eisen氏

 BAY 73-4506はVEGFRやPDGFR、TIE2、KIT、RETなどをターゲットとする経口マルチキナーゼ阻害剤である。

 フェーズ2試験は多施設、オープンラベルで行われた。対象は18歳以上の男女で、切除不能または転移性の腎細胞癌患者49人とされた。年齢の中央値は62歳(40-76歳)である。160mgのBAY 73-4506を21日間毎日投与した後、7日間休薬して有効性と安全性を評価した。

 評価はRECISTによって行い、48人について有効性を確認した。(1人はインフォームドコンセント時に辞退)。

 試験の結果は、PR(部分奏効)が13人(27%)、SD(安定)が21人(44%)で、病勢コントロール率は38人(79%)、PD(悪化)は7人(15%)だった。

 治療の継続期間は20-353日で、24人が治療を中止し、25人は現在も継続して治療を受けている。PRが得られた88%の患者においては、現在も有効性が持続している。

 安全性に関しては、すべての患者において評価した。治療に関与する主な有害事象としては、手・足・皮膚反応が31人(63.3%)にみられた。うちグレード3は10人(全体の20%)だった。その他、倦怠感が25人(51.0%)、高血圧が23人(46.9%)、粘膜炎が21人(42.9%)、下痢が17人(34.7%)などだった。

 発表を行ったEisen氏は、マルチキナーゼ阻害剤であるBAY 73-4506について、特にTIE2シグナルに関連した作用に注目しているという。また、今回の試験でPRの持続が得られたことで、今後、大いに期待したいと述べた。