イマチニブ抵抗性もしくは不耐容の慢性期の慢性骨髄性白血病CML)患者において、チロシンキナーゼ阻害剤であるニロチニブの効果発現は早く、かつその効果は持続的であることが、フェーズ2試験の長期成績(フォロー期間24カ月以上)で確認された。5月29日から6月2日まで米オーランドで開催されている第45回米国臨床腫瘍学会・年次集会(ASCO2009)でM. D. Anderson Cancer CenterのH. Kantarjian氏らが発表した。

 ニロチニブは、Bcr-Ablチロシンキナーゼに対する高い選択性と強い阻害活性を併せ持つ薬剤として、国内では今年1月、イマチニブ抵抗性CMLに適応を取得している。

 フェーズ2試験では、慢性期CML患者321人を対象に、ニロチニブを1日2回400mg投与した。対象者の内訳は、イマチニブ抵抗性患者が7割、不耐容で投与不能の患者が3割だった。

 なお、イマチニブ抵抗性の定義は、イマチニブ600mg/日以上を投与して進行が認められた場合、投与4週後に血液学的奏効が認められない場合、もしくはイマチニブ600mg未満/日の投与で、L248、G250、Q252、Y253、E255、T315、F317、H396の変異が認められる場合とされている。

 一方、イマチニブ不耐容は、適切な支持療法にもかかわらず、グレード3/4の有害事象が認められる場合、適切な支持療法を行っても、グレード2の有害事象が1カ月以上継続する場合、あるいはイマチニブの減量が3回を超えた場合と明確に定義されているのも特徴である。

 試験登録前にイマチニブ600mg/日以上の治療を受けていた患者は72%、イマチニブによる治療期間中央値は32カ月だった。ニロチニブの治療期間中央値は561日(1〜1096日)で、dose intensity中央値は789mg/日と、観察期間が2年を経過した状況でも、ほぼ投与スケジュールどおり800mg/日が継続できた。

 追跡期間24カ月の時点で、主要評価項目である細胞遺伝学的寛解(MCyR)が59%の患者に認められ、血液学的完全寛解(CHR)が95%、細胞遺伝学的完全寛解(CCyR)は44%に達した。

 MCyRが認められるまでの期間は中央値で2.8カ月、CCyRは3.3カ月と、その効果が早期に確認されている点もこの薬剤の特徴の1つである。

 治療継続中、新たな副作用の発現や頻度の上昇はなかった。主なグレード3/4の有害事象は、リパーゼ上昇が18%、低リン酸血症が17%、高血糖12%、総ビリルビン上昇が7%で、いずれも一時的でかつ対処可能であった。グレード3/4の非血液学的な有害事象はまれで、皮疹、頭痛、下痢が各2%と僅かだった。

 血液学的有害事象は、好中球減少が31%、血小板減少が30%、貧血が11%で、これら骨髄抑制も容易に管理できるものとしている。

 これらの結果からニロチニブは、その忍容性により治療継続性に優れ、2年生存率が87%であったことから、イマチニブ抵抗性の慢性期CML患者において、効果的かつ長期にわたって良好な治療を継続できるCMLのセカンドライン治療薬としての位置づけをより明確にできたと考えられる。