有糸分裂の主要レギュレータであるポロライクキナーゼ1(Plk1)を高選択性に強力に阻害するBI2536が、再発・進行性または転移性の非小細胞肺癌(NSCLC)患者の単剤療法においても中等度の有効性と受容可能な安全性を示した。2種類のスケジュールで投与したフェーズ2臨床試験の結果明らかとなったもので、5月30日から6月3日にシカゴで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO)で、ドイツAsklepios FachklinikenのJ.von Pawel氏が発表した。

 試験対象は、NSCLC患者95人(男性67人、女性28人)。年齢中央値は64歳(38-81)だった。Eastern Co-operative Oncology Group(ECOG)performance scoreは0が32人、1が61人、2が2人で、腫瘍病期は2A期が1人、2B期が21人、4期が73人だった。治療歴は一次治療のみが68人、二次治療までが27人だった。組織型は腺癌53人、扁平上皮癌30人、その他のNSCLCが12人だった。

 投与は21日を1サイクルとし、BI2536(投与開始量200mg/日)を1日目に投与する群に48人、同薬を1〜3日目に投与する群に47人(同50mg/日に26人、同60mg/日に21人)を無作為に割付けた。有害事象は有害事象共通用語基準(CTCAE)version3.0で評価し、発生しても減量で重症度が改善すれば投与を継続した。2サイクル終了後に状態が安定し抗腫瘍効果が良好な場合、以後のサイクルでは1日目に投与する群ではBI2536を50mgずつ、1〜3日目に投与する群では10mgずつ投与量を増量して検討した。

 プライマリエンドポイントは固形癌の効果判定基準(RECIST)による他覚的反応、セカンダリーエンドポイントは無増悪生存期間(PFS)と全生存期間(OS)とした。

 その結果、95人中4人に部分奏効(PR)を認め、3人は1日目に投与する群、1人は1〜3日目に投与する群だった。奏効率は4.2%(95%信頼区間1.2〜10.4%)。投与前と比較した病変部の最大割合は、両群で差がなかった。OSの中央値は28.7週、PFSは個別レビューで7週、治験責任医師による評価で8.2週だった。

 治療による有害事象は、グレード4は主に好中球減少症で33人に出現した。同薬に関連する死亡と考えられたのは2人で、うち1人では敗血症が報告された。非血液学的有害事象では疲労感(29人)と嘔気(27人)が多く観察された。

 Pawel氏は、「本試験により、進行性または転移性のNSCLC患者の治療において、BI2536のようなPlk1阻害薬が有効と考えられるエビデンスを示した」と結論付けた。