進行性肝細胞癌(HCC)を対象に行われたソラフェニブのフェーズ2試験において、Child-Pugh A(CPA)、Child-Pugh B(CPB)で区分したサブ解析結果が、5月30日からシカゴで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO)のポスターセッションで Memorial Sloan-Kattering Cancer CenterのG.K.Abou-Alfa氏により発表された。薬物動態および毒性に関しては両群で類似していたが、CPB患者への投与については、リスク&ベネフィットの更なる検討が必要であることが示唆された。

 ソラフェニブは経口マルチキナーゼ阻害剤。昨年のASCOでは、プラセボと比較して、HCC(CPAを含む)患者のOS(全生存期間)、TTP(無増悪期間)を有意に延長させたことが報告され注目を集めた。

 今回の発表は、フェーズ2試験のデータからCPA群98人、CPB群38人のものを抽出して解析したもの。ソラフェニブは400mgを1日2回、連日経口投与した。

 治療期間はCPA群24.9週に対してCPB群では12.9週と短く、投与量を減量した割合はCPA群31%に対しCPB群では21%。また、投与の中止率はCPA群31%でCPB群21%といずれもCPA群で高かった。

 同解析で、病勢安定(SD)期間が4か月以上だった割合は、CPA群49%対CPB群26%。TTPの中央値はCPA群が21週(95%信頼区間16-25週)に対してCPB群は13週(95%信頼区間9-18週)。OSはCPA群が41週(95%信頼区間36.6-63.6週)なのに対して CPB群14週(95%信頼区間11.6-25.7週)と有意差があった。

 最も一般的な有害事象は倦怠感(CPA群41%対CPB群37%)、下痢(CPA群59%対CPB群47%)、手足皮膚反応(CPA群30%対CPB群13%)だった。しかし、発表者のAbou-Alfa氏は、懸念される有害事象としてビリルビンの上昇(CPA群18%対CPB群40%)、腹水(CPA群11%対CPB群18%)、脳症(CPA群2%対CPB群11%)をあげ、いずれもCPB群の方が高い傾向が見られたことを指摘したが、同時にデータ数が限られていた点にも言及した。今後、CPB患者に対するソラフェニブ投与について、更なる検討が必要と考えられる。