札幌医科大学の佐藤康史氏

 抗癌剤治療、放射線治療を受けたことのない手術不能転移性胃癌患者にS-1シスプラチンドセタキセルの3剤併用療法(DCS療法)が高い効果を示すことがわが国で行われたフェーズ2臨床試験の結果、明らかとなった。31人の患者中7人がダウンステージングとなり、5人が切除可能だった。成果は5月30日から6月3日にシカゴで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO)で札幌医科大学の佐藤康史氏によって発表された。佐藤氏は「血液学的な副作用に十分注意しながら、最初に強いレジメンで癌をたたくことが大切」と語った。

 フェーズ2臨床試験には2005年3月から2007年4月までいに8施設から臓器機能が正常などの条件を満たした31人(男性23人)の患者が登録された。患者の年齢中央値は63歳(44-77)で、全身状態の良い患者が多くPS0が23人、PS1が8人だった。分化癌が10人、未分化癌が21人だった。患者には3週間置きを1サイクルとして、S-1の40mg/m2を1日2回、1日目から14日目まで投与し、シスプラチン(60mg/m2)、ドセタキセル(60mg/m2)を8日目に投与した。投与サイクルの中央値は4サイクル(1-11)だった。

 試験の結果、奏効率は87.1%(95%信頼区間75.3-98.9)で、評価可能な31人中1人(3.2%)で完全奏効(CR)が得られ、26人(83.9%)で部分奏効(PR)が得られた。さらに安定状態(SD)となったのは4人(12.9%)で、病状が悪化(PD)した患者はいなかった。27人の反応が見られた患者のうち22.5%にあたる7人の患者でダウンステージングができ、5人が治癒的切除術を受けることができた。
 生存期間中央値は660日(95%信頼区間580.4-739.6)で、無増悪生存期間中央値は236日(95%信頼区間118.2-354.2)だった。

 一方グレード3/4の有害事象は好中球減少症が77.4%の患者に認められ、そのうちグレード4が51.6%だった。またグレード3の食欲不振が35.5%の患者に、グレード3の吐き気が32.3%の患者に認められた。