MD Anderson Cancer CenterのD. D. Karp氏

 抗インスリン様成長因子受容体(IGF-IR)抗体製剤であるCP-751871は、パクリタキセルとカルボプラチンとの併用投与で、非小細胞肺癌患者において安全かつ有効であり、扁平上皮癌でも有効性が認められることが多施設共同フェーズ2臨床試験で明らかになった。5月30日から6月3日にシカゴで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO)で、米MD Anderson Cancer CenterのD. D. Karp氏らが報告した。

 CP-751871のフェーズ2臨床試験としては、未治療の進行性非小細胞肺癌患者73人を対象に、パクリタキセル(T)とカルボプラチン(C)にCP-751871(I) 10mg/kgを併用投与する群(TCI群)と、パクリタキセル(T)とカルボプラチン(C)を投与する群(TC群)を比較した無作為化試験が行われており、TCI群(48人)の奏効率(ORR)は46%、TC群(25人)は32%と報告された (ASCO 2007, Abstract 7506) 。

 今回は患者を追加し、上記の対象者を含めた合計150人(TCI群97人、TC群53人)の結果が報告された。TCI群のうち49人には、パクリタキセル (200mg/m2)とカルボプラチン(AUC 6)に加え、CP-751871を20mg/kg投与し、3週間おきに6サイクル行った。投与終了後も、TCI 群のうち部分奏効(PR)あるいは安定状態(SD)の患者には、病状が進行するまでCP-751871を単独投与した。TC群で病状が進行した場合は、CP-751871単独あるいはTCとの併用でCP-751871を投与した。

 組織別にはTCI群で腺癌が50%、扁平上皮癌が16%、大細胞癌が9%を占め、TC群ではそれぞれ38%、23%、11%だった。

 その結果、奏効率はTCI群が54%(97人中52人)、TC群は41%(53人中22人)。組織型別に見ると、腺癌ではTC群の奏効率が25%に対し、TCI(10mg/kg)群は38%、TCI(20mg/kg)群は57%と、用量依存的に奏効率が高くなることも示された。扁平上皮癌ではTC群が46%、TCI(10mg/kg)群は57%、TCI(20mg/kg)群では78%だった。

 無増悪生存期間の中央値は、TC群が4.3カ月、TCI(10mg/kg)群は3.6カ月で、TC群に対するハザード比は1.37(p=0.19)だが、TCI(20mg/kg)群は5.0カ月、ハザード比は0.80(p=0.07)だった。このためKarp氏は「TCI 20mg/kgでは、化学療法単独よりも、無増悪生存期間は改善された」と述べた。

主なグレード3の有害事象は、TCI群(97人)で好中球減少が18%、TC群(53人)は11%、高血糖がそれぞれ15%、8%で、倦怠感は10%、8%だった。グレード4は好中球減少がTCI群で12%、TC群は5%、高血糖は5%、0%であり、「TCI群で十分な忍容性が確認された」とした。

 Karp氏によれば、腺癌を除く非小細胞肺癌を対象とするフェーズ3臨床試験のうち、未治療の患者(登録予定820人)においてTCIとTCを比較する試験がすでに進行中であり、再発患者(同600人)に対してエルロチニブとCP-751871を投与する試験も計画されているという。