Texas大学MD Anderson Cancer CenterのM.Cristofanilli氏

 閉経後のホルモン受容体陽性転移性乳癌を対象に、上皮細胞成長因子受容体(EGFR)チミジンキナーゼ阻害薬のゲフィチニブと、アロマターゼ阻害薬のアナストロゾールを併用投与すると、アナストロゾール単独よりも無増悪生存期間PFS)を延長し、臨床的な利益も大きいことが明らかとなった。安全性のプロフィールも受け入れられる範囲だった。これは無作為化多施設二重盲検フェーズ2試験の結果で、5月30日から6月3日にシカゴで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO)で米Texas大学MD Anderson Cancer CenterのM.Cristofanilli氏によって発表された。EGFR阻害剤によって、転移性乳癌に対する内分泌療法の効果が高まる可能性を裏付けるデータがまた増えたことになる。

 フェーズ2臨床試験は、毎日ゲフィチニブ250mgとアナストロゾール1mgを投与される群(併用群)と、プラセボとアナストロゾール1mgを投与される群(単独群)に分けて行われた。主要評価項目は無増悪生存期間、副次的評価項目は客観的奏効率(ORR)、臨床的利益率、全生存期間(OS)、安全性だった。併用群には43人が割り付けられ、単独群には50人が割り付けられた。

 無増悪生存期間中央値は併用群が14.5カ月、単独群が8.2カ月で、ハザード比は0.55(95%信頼区間 0.32-0.94)で、併用群の方が有意に改善する傾向が得られた。ORRは併用投与群が2.3%、単独群が12%と単独群の方が良い結果が得られたが、24週以上の安定状態(SD)を加えた臨床利益率は併用群が48.8%、単独群は34%と併用群の方が高い結果となった。

 一方、副作用は単独群で43人(86%)、併用群で39人(91%)に現れた。治療に関連した副作用は単独群で19人(38%)、併用群で34人(79%)に生じ併用群で多かったが、重篤な副作用は単独群で8人(16%)、併用群で6人(14%)、副作用が死亡に結びついたのは単独群で1人(2%)、併用群で2人(5%)だった。副作用のために投薬が中断されたのは、単独群で2人(4%)、併用群で9人(21%)だった。併用群で多かった副作用は下痢、倦怠感、皮疹、掻痒だった。