Toronto-Sunnybrook Health Sciences CentreのS. R. Berry氏

 切除不能な転移性結腸直腸癌に対し標準的な化学療法とベバシズマブを併用した大規模な国際的フェーズ4試験(First BEAT試験)の最終結果が報告され、フェーズ3臨床試験の結果と同様に、ベバシズマブ併用の安全性および有効性が確認された。成果は5月30日から6月3日にシカゴで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO)で、カナダToronto-Sunnybrook Health Sciences CentreのS. R. Berry氏らが報告した。

 First BEAT試験は、転移性結腸直腸癌患者で、初回治療として、FOLFOX療法(5-FU/LV+オキサリプラチン)などの化学療法とベバシズマブの併用投与が行われた患者を対象にした観察研究。2004年6月から2006年2月までに41カ国1965人が登録された。

 2008年2月1日の時点で解析可能だったのは1914人。年齢中央値は59歳、65歳以上の患者が33%を占めた。追跡期間の中央値は21.1カ月(0カ月から43.2カ月)、60日間の死亡率は2.5%、53%の患者は病気進行まで治療が継続された。

 ベバシズマブと併用された化学療法は、FOLFOX療法が29%、FOLFIRI療法(5-FU/LV+イリノテカン)が26%、XELOX療法(カペシタビン+オキサリプラチン)が18%、5-FUあるいはカペシタビンの単剤投与が15%などだった。

 重篤な有害事象(SAE)は1914人のうち631人(33.0%)で、ベバシズマブ関連のSAEは205人(10.7%)。CTCグレード3から5の有害事象あるいはSAEは、高血圧(5.3%)、出血(3.4%)、胃穿孔(1.8%)、動脈血栓塞栓症(1.5%)、蛋白尿(1.1%)、創傷治癒合併症(1.1%)だった。

 無増悪生存期間(PFS)の中央値(1646人)は10.8カ月(95%信頼区間10.4-11.3カ月)。化学療法別では、FOLFOX療法を受けていた患者のPFSは11.3カ月、FOLFIRI 療法では11.6カ月、XELOX療法は10.8 カ月で、5-FUあるいはカペシタビンの単独投与でのPFSは8.6カ月だった。

 生存期間(OS)の中央値(1124人)は22.7カ月(95%信頼区間21.7-23.8カ月)で、FOLFOX療法では25.9カ月、FOLFIRI療法は23.7カ月、XELOX療法は23.0カ月、5-FUあるいはカペシタビンの単剤投与は18.0カ月だった。

 ベバシズマブとXELOX療法あるいはFOLFOX4療法を併用したフェーズ3臨床試験では、PFS中央値は9.4カ月、OS中央値は21.3カ月と報告されている(J Clin Oncol. 2008;26(12):2013-9)。またベバシズマブとIFL療法(5-FU/LV+イリノテカン)を併用した試験ではPFS中央値は10.6カ月、OS中央値は20.3カ月だった(N Engl J Med. 2004;350(23):2335-42)。

 このため研究グループは、「今回の結果は、これまで報告されたフェーズ3臨床試験の結果と一致している」とし、「ベバシズマブは5-FUベースのいずれの化学療法でも併用が可能である」と結論づけた。