Mount Vernon Cancer CenterのDavid Miles氏

 HER2陰性で局所再発または転移性乳癌のファーストラインの治療法として、抗血管内皮成長因子(VEGF)抗体ベバシズマブドセタキセルの併用が有効であることが明らかとなった。無作為化二重盲検試験AVADOの結果、示されたもの。成果は5月30日から6月3日にシカゴで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO)で英Mount Vernon Cancer CenterのDavid Miles氏によって発表された。発表後、ディスカッサントによってE2100試験の結果が比較され、効果はベバシズマブとパクリタキセルを投与した場合よりも若干弱いが、安全性はより高いことが示され、患者を選んでドセタキセルかパクリタキセルを選択することになりそうだ。

 AVADO試験は局所進行、あるいは転移性のHER2陰性乳癌患者を対象に実施された。患者はドセタキセル100mg/m2とプラセボを3週置きに投与する群(プラセボ群)、ドセタキセル100mg/m2とベバシズマブ7.5mg/kgを3週置きに投与する群(ベバシズマブ7.5mg群)、ドセタキセル100mg/m2とベバシズマブ15mg/kgを3週置きに投与する群(ベバシズマブ15mg群)の3群に分けて行われ、病状が悪化した場合にはすべての患者にはベバシズマブとセカンドラインの化学療法を受ける選択肢が与えられた。主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目は奏効率(ORR)、全生存期間(OS)、安全性、生活の質(QOL)などだった。

 2006年3月から2007年4月の間に26カ国104施設から736人の患者が登録され、データのカットオフは2007年10月31日に行われた。効果の解析には全736人のデータが使われ、安全性の解析には少なくとも1回は投薬を受けた730人を対象に行われた。

 PFSはプラセボ群(241人)が中央値8.0カ月、ベバシズマブ7.5mg(248人)が8.7カ月、ベバシズマブ15mg群(247人)が8.8カ月だった。プラセボ群とベバシズマブ7.5mgを比較すると非階層化データでハザード比は0.79(95%信頼区間0.63-0.98 P=0.0318)でベバシズマブ7.5mgの方が有意に改善した。プラセボ群とベバシズマブ15mg群を比較すると非階層化データでハザード比は0.72(95%信頼区間0.57-0.90、P=0.0099)でベバシズマブ15mgの方が有意に改善した。増悪する前にプロトコールでない治療を受けた患者を階層化して処理をすると、プラセボ群とベバシズマブ7.5mgのハザード比は0.69(95%信頼区間0.54-0.89、P=0.0036)、プラセボ群とベバシズマブ15mgのハザード比は0.61(95%信頼区間0.48-0.78、P<0.0001)となった。

 測定できる患者を対象にした奏効率はプラセボ群(207人)で44%となり、うち完全奏効(CR)が1%、部分奏効(PR)が44%だった。ベバシズマブ7.5mg群(201人)では奏効率が55%でCRは3%、PRは52%だった。ベバシズマブ15mg群は奏効率が63%でCRが1%、PRが62%だった。全生存期間中央値はまだ到達していないが、1年生存率はプラセボ群73%、ベバシズマブ7.5mg群78%、ベバシズマブ15mg群83%だった。

 安全性は、ベバシズマブを加えた群でプラセボ群に比べてわずかに副作用が増える傾向があった。副作用が発現した率はプラセボ群が99.6%、ベバシズマブ7.5mg群100%、ベバシズマブ15mg群99.6%だった。グレード3以上の副作用が発現した率は、プラセボ群が67.0%、ベバシズマブ7.5mg群74.8%、ベバシズマブ15mg群74.1%だった。副作用による死亡率はプラセボ群が2.6%、ベバシズマブ7.5mg群1.6%、ベバシズマブ15mg群1.6%だった。