Baylor Sammons Cancer CenterのJ.O'Shaughnessy氏

 多くの前治療を受けトラスツズマブの治療でも病状が進行したHER2陽性転移性乳癌患者に、トラスツズマブラパチニブの併用が有効であることが明らかとなった。ラパチニブ単剤投与と比較する無作為化フェーズ3試験の結果示されたもの。成果は5月30日から6月3日にシカゴで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO)で米Baylor Sammons Cancer CenterのJ.O'Shaughnessy氏によって発表された。

 臨床試験は毎日経口でラパチニブ1500mgを投与される群(単独群、148人)とラパチニブを毎日1000mgと毎週トラスツズマブを最初は体重1kg当たり4mg、次週からは2mgを投与する群(併用群、148人)に分けて行われた。単独群のうち、73人は4週間後の治療で増悪していた場合、併用に切り替えられた。患者の年齢中央値は単独群が51歳、併用群が52歳。前治療の数の中央値は単独群が4で併用群が5で、6レジメン以上受けていた患者の割合は単独群が28%、併用群が34%だった。前治療で受けたトラスツズマブを含むレジメン数の中央値は、単独群で3、併用群で3だった。

 主要評価項目だった無増悪生存期間中央値は単独群で8.1週、併用群で12.0週、ハザード比0.73(95%信頼区間0.57-0.93、p=0.008)で併用群に有意に改善していた。6カ月時点での無増悪生存率は単独群が13%、併用群が28%だった。奏効率は単独群が6.9%(95%信頼区間3.4-12.3)、併用群が10.3%(95%信頼区間5.9-16.4)だった。6カ月以上の安定状態(SD)を含めた臨床的有益率は単独群が12.4%(95%信頼区間7.5-18.9)、併用群が24.7%(95%信頼区間17.9-32.5)だった。全生存期間中央値は単独群が39.0週、併用群で51.6週、ハザード比0.75(95%信頼区間0.53-1.07、p=0.106)で有意な差ではなかったが併用群で長い傾向があった。6カ月時点での全生存率は単独群が70%、併用群が80%、12カ月時点は単独群が36%、併用群が45%だった。

 一方副作用は、10%以上の頻度で生じて、両群間で差があったのは下痢で、単独群が48%、併用群は60%だったが、グレード3または4の副作用は7%ずつで差がなかった。この他、皮疹、吐き気、倦怠感、嘔吐などが多く見られたが両群間に差はなかった。循環器系のイベントは単独群で5人、併用群で8人に認められた。