Medical University of ViennaのR.Pirker氏

 抗上皮細胞成長因子受容体(EGFR)抗体セツキシマブを、進行非小細胞肺癌対象に化学療法と併用でファーストラインとして用いることで、全生存期間が対象群よりも改善できることが明らかとなった。これは無作為化多施設フェーズ3臨床試験FLEXで示されたもの。副作用も予想の範囲内でセツキシマブを白金系ベースの化学療法に加えることはファーストライン治療の1つとなった。成果は5月30日から6月3日にシカゴで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO)のプレナリーセッションでオーストリアMedical University of ViennaのR.Pirker氏によって発表された。

 FLEX試験は、30カ国166施設で行われた試験で、EGFRを発現している3B期/4期の進行非小細胞肺癌患者をシスプラチン、ビノレルビンのみを投与する群(化学療法のみ群)とシスプラチンビノレルビンに加えてセツキシマブを投与する群(セツキシマブ併用群)に分けて行われた。シスプラチンとビノレルビンは3週置きにシスプラチン80mg/m2を1日目、ビノレルビン25(30)mg/m2を1日目と8日目に投与することを1サイクルとして最大で6サイクルまで投与した。セツキシマブは最初400mg/m2を投与し、その後は毎週250mg/m2を投与した。セツキシマブの投与は化学療法との併用終了後も維持療法として投与された。

 セツキシマブ併用群には557人、化学療法のみ群には568人が割り付けられた。化学療法のみ群、セツキシマブ併用群とも化学療法のサイクル数の中央値は4サイクルで、治療期間中央値は14週だった。セツキシマブの治療期間中央値は18週だった。試験後の抗癌剤治療は、放射線療法、化学療法は同様な割合で受けていたが、EGFRチミジンキナーゼ阻害剤を受けた患者の割合はセツキシマブ併用群17%、化学療法のみ群は27%だった。

 試験の結果、主要評価項目だった全生存期間中央値はセツキシマブ併用群が11.3カ月、化学療法のみ群が10.1カ月、1年生存率はセツキシマブ併用群が47%、化学療法のみ群では42%だった。ハザード比は0.871(95%信頼区間0.762-0.996、p=0.044)で有意にセツキシマブ群の延長が認められた。奏効率はセツキシマブ併用群が36%、化学療法のみ群が29%で有意にセツキシマブ群の方が優れていた。治療成功期間(TTF)もセツキシマブ併用群が4.2カ月に対し、化学療法のみ群は3.7カ月で、ハザード比0.860(95%信頼区間0.761-0.971)で、セツキシマブ併用群の方が優れていた。ただし、無増悪生存期間は両群とも4.8カ月で有意差はなかった。

 グレード3/4の副作用はセツキシマブ併用群の方が化学療法のみ群よりもやや多い傾向にあった。全体ではセツキシマンブ併用群は91%で起こり、化学療法のみ群では86%に起きた。この他、両群で差が見られたのは発熱性好中球減少症、座瘡様皮疹、下痢、注射部位反応だった。