HER2陽性局所進行または転移性乳癌患者でトラスツズマブによる治療で増悪した患者には、カペシタビン単独よりもカペシタビンとトラスツズマブを併用投与した方が高い治療効果が得られることが明らかとなった。CBG26/BIG3-05と呼ばれるフェーズ3臨床試験の結果示されたもの。成果は5月30日から6月3日にシカゴで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO)でドイツUniversity Hospital FrankfurtのG.von Minckwitz氏によって発表された。

 フェーズ3臨床試験は、タキサン系抗癌剤とトラスツズマブを術後補助療法として受けた患者、ファーストラインの治療薬としてトラスツズマブ単独、タキサン系やその他の化学療法剤の投与を受けながらも増悪した、HER2陽性局所進行あるいは転移性の乳癌患者を対象に行われた。主要評価項目は治療成功期間(TTP)。

 患者は、カペシタビン2500mg/m2を1日目から14日目まで21日置きに投与されるX群(78人)と、カペシタビン2500mg/m2の1日目から14日目まで21日置き投与に加えて、トラスツズマブ体重1kg当たり6mg投与の3週置き投与を継続するXH群(78人)に分けて行われた。

 試験の結果、TTPはX群が5.6カ月(95%信頼区間4.2-6.3)に対して、XH群が8.2カ月(95%信頼区間7.3-11.2)、ハザード比0.69(p=0.03)で有意に延長効果が確認された。

 奏効率はX群が27.6%(95%信頼区間17.3-38.6)で完全奏効(CR)が2.7%、部分奏効(PR)は24.3%に見られた。一方XH群は48.0%(95%信頼区間36.5-59.7)で完全奏効(CR)が7.7%、部分奏効(PR)は40.3%に認められ、P=0.01で有意にXH群に高い効果が確認された。CRとPR24週以上の不変(NC)を加えた臨床的有効率はX群が54.0%(95%信頼区間42.1-65.7)、XH群は75.3%(95%信頼区間64.2-84.4)で、P=0.007でXH群に高い効果が認められた。

 全生存期間中央値はX群が20.4カ月(95%信頼区間17.8-24.7)に対して、XH群が25.5カ月(95%信頼区間19.0-30.7)でXH群に延長傾向が認められたが、統計学的には有意ではなかった。

 一方、副作用は非血液学的なものは手足症候群、下痢、倦怠感、血液学的なものは貧血、リンパ球減少症が多くみられたがX群とXH群で差はなかった。