韓国National Cancer CenterのJS Lee氏

 ほとんどがアジア人の3B期/4期の非小細胞肺癌患者を対象に、化学療法に上皮細胞成長因子受容体阻害薬エルロチニブを併用、連続投与することが有意に無増悪生存期間(PFS)を延長することが明らかとなった。ファーストラインとして投与する無作為化二重盲検フェーズ2試験FASTACTの結果、示されたもの。成果は5月30日から6月3日にシカゴで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO)で、韓国National Cancer CenterのJS Lee氏によって発表された。

 FASTACT試験は未治療の3B期/4期の非小細胞肺癌患者を対象に、化学療法とエルロチニブの投与を行い、その後エルロチニブのみを投与する群(エルロチニブ群)と化学療法とプラセボの投与を行い、その後プラセボを投与し、増悪した場合にはエルロチニブを投与する選択肢をありとする群(プラセボ群)に分けて行われた。

 エルロチニブ群にはゲムシタビン1250mg/m2を1日目と8日目、シスプラチン(75mg/m2) かカルボプラチン(5AUC)を1日目、エルロチニブ(150mg)を15日目から28日目に4週間置きに投与するサイクルを最長6サイクル行い、その後エルロチニブを増悪するまで1日150mg投与した。プラセボ群は化学療法は同じ用法・用量でエルロチニブの代わりにプラセボを投与した。エルロチニブ群(76人)のうち、アジア人は71人(93%)、白色人種は5人(7%)、プラセボ群(78人)のうち、アジア人は74人(95%)、白色人種は4人(5%)だった。

 試験の結果、副次評価項目ではあったがPFSの延長が有意に認められた。エルロチニブ群のPFS中央値は31.3週、プラセボ群は23.7週で、ハザード比は0.57(95%信頼区間0.38-0.84、P=0.0715)だった。また奏効率はエルロチニブ群が36.8%、プラセボ群が24.4%でオッズ比が1.85(95%信頼区間0.91-3.76、P=0.089)でエルロチニブ群の方が高かった。

 主要評価項目であった投与8週時点の無増悪率はエルロチニブ群が80.3%、プラセボ群が76.9%とエルロチニブ群が良い傾向が見られたが統計学的に有意ではなかった。16週時点の無増悪率もエルロチニブ群が65.8%、プラセボ群が53.8%とエルロチニブ群が良い傾向が見られた。

 一方、副作用は皮疹がエルロチニブ群でプラセボ群よりも多い傾向が見られたが、それ以外は両群で大きく異なるものはなかった。グレード3/4の副作用で多いものは好中球減少(エルロチニブ群14%、プラセボ群10%)だった。