上皮細胞成長因子受容体EGFRチロシンキナーゼ阻害剤エルロチニブは、進行非小細胞肺癌において、患者の性別や組織型、喫煙状態を問わず有効であることが、52カ国7000人以上を対象に市販後行われたフェーズ4臨床試験TRUSTのサブ解析で確認された。成果は5月30日から6月3日にシカゴで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO)で、ニュージーランドPalmerston North HospitalのS. G. Allan氏らが発表した。

 TRUST試験は、ステージ3B/4の非小細胞肺癌患者で、化学療法や放射線療法が無効あるいは不適切だった患者を対象とし、エルロチニブ1日150mgを病気進行または強い毒性が現れるまで投与した。

 2008年2月27日までに分析が可能だった6809人の年齢中央値は63歳、男性が61%を占めた。腺癌が55%、扁平上皮癌は24%、大細胞癌は6%。現在喫煙習慣のある人および過去に喫煙経験のある人(以下、喫煙者)が69%を占め、非喫煙者は全体の31%だった。病期別ではステージ3Bが22%、ステージ4が78%だった。

 また既に化学療法を1回受けた患者が49%を占め、患者の半数は2次治療としてエルロチニブの投与を受けたことになる。化学療法を2回受けた患者は37%、0回が14%だった。

 性別、組織型(扁平上皮癌/非扁平上皮癌)、喫煙状態によって、6つのサブグループに分けて比較した結果、奏効率が最も高かったのは「女性・非喫煙者・非扁平上皮癌」のグループ(1216人)で27%、最も低かったのは「女性・喫煙者・扁平上皮癌」(162人)の4%であり、「奏効率は非喫煙者・非扁平上皮癌で高く、喫煙者・扁平上皮癌で低い傾向がある」とした。

 病勢コントロール率(DCR)は、最も高かったのは「女性・非喫煙者・非扁平上皮癌」の80%であり、最も低かったのは「男性・非喫煙者・扁平上皮癌」(82人)の59%だった。

 無増悪生存期間の中央値は全体では14.3週(6807人)、サブグループでは「女性・非喫煙者・非扁平上皮癌」のグループ(1364人)が最も長く30週、続いて「男性・非喫煙者・非扁平上皮癌」(510人)が25.3週、「男性・喫煙者・扁平上皮癌」(1205人)が12.4週で、「男性・喫煙者・非扁平上皮癌」(2292人)が11.9週、「女性・喫煙者・扁平上皮癌」(204人)が10.3週、そして最も短かったのは「男性・非喫煙者・扁平上皮癌」(101人)の10.1週だった。

 フェーズ3臨床試験であるBR.21試験で、プラセボ群の無増悪生存期間中央値は8.0週と報告されていたことから、「いずれのサブグループでもエルロチニブによる治療のベネフィットを受けている」とした。ただし今回の分析からは有用性の高い患者の臨床的特徴あるいは除外すべき患者の特徴ははっきりしなかった。