米Cleveland Clinic Foundation Taussig Cancer InstituteのS.A.Vaziri氏

 スニチニブで治療を受けた淡明細胞型腎細胞癌患者で副作用の発現に関連する可能性のあるnon-synonymous SNP(nsSNP、アミノ酸が変化する一塩基多型)が複数見つかった。nsSNPは蛋白質の構造や機能に影響することから、薬物代謝に関連している可能性がある。将来的に遺伝子解析によって、スニチニブで毒性の出やすい患者を判別し、適切な投薬につながると期待される。成果は5月30日から6月3日にシカゴで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO)で米Cleveland Clinic Foundation Taussig Cancer InstituteのS.A.Vaziri氏によって発表された。

 研究グループは転移性の淡明細胞型腎細胞癌患者で、1日当たり50mg、4週連続投薬、2週間休薬というスケジュールでスニチニブを服用した患者の末梢血リンパ球を単離した。患者はグレード1/2以下の副作用しか発現しなかった患者19人とグレード3/4以上の副作用を発現し、6サイクル以内に投与量の減量が必要になった患者19人の2つのグループに分け、リンパ球を得た。そして、それぞれのグループのリンパ球からゲノムDNAを抽出し、1万1000個以上のnsSNPを解析できる市販のチップを用いて強い副作用を発現した患者に特異的なnsSNPを探索した。

 その結果、両グループ間で頻度が異なる31個のSNPを見出した。このうち、8個はイントロン、非翻訳領域、遺伝子に無関係な領域にあるSNPで、23個が遺伝子をコードしている領域にありアミノ酸変化を起こしていたSNPだった。

 研究グループは、そのうちの1例としてOAS1遺伝子のnsSNPを紹介、C/Gという遺伝子型を持つ患者は副作用が少ない患者で74%に発現していたのに対して、副作用が多い患者では21%だった。結果として、毒性の少ない患者で50%以上頻度が高いSNPを持つ遺伝子を6個、毒性の多い患者で50%以上頻度が高いSNPを持つ遺伝子を6個同定することができた。また毒性の多い患者でのみ30%以上の頻度で見つかる9個の遺伝子を同定した。

 23個の遺伝子の細胞内情報伝達経路における役割をソフトウエアで解析したところ、9個の遺伝子がサイトカイン、転写調節因子、アポトーシス調節のネットワークに関連していることが明らかとなった。