米Institute for Myeloma and Bone Cancer Research のJames R. Berenson氏

 良性モノクローナル免疫グロブリン血症(MGUS)は、異常ではあるものの良性の形質細胞により産生されたモノクローナル抗体(M蛋白)が蓄積される病態で、通常は治療を必要としないが、長期経過した場合、多発性骨髄腫マクログロブリン血症B細胞リンパ腫などへ移行する懸念がある。また、骨粗鬆症患者の約5%にMGUSや多発性骨髄腫の患者が含まれることも報告されている。米Institute for Myeloma and Bone Cancer Research のJames R. Berenson氏らは、骨密度低下(Tスコア<-1)を伴うMGUS患者54例を対象とした検討から、ゾレドロン酸(4mg)の6カ月毎の投与によって骨密度が改善され、安全性も良好であることを、5月30日から6月3日にシカゴで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO)で報告した。


MGUS患者におけるゾレドロン酸療法は安全かつ骨密度上昇に有用

 解析対象は、18歳以上のMGUS患者で、骨密度Tスコアが-1未満の54例(男性26例、女性28例)。年齢中央値67歳(範囲50〜91歳)、治療前の腰椎Tスコア中央値-1.70(-3.97〜-2.10)、股関節Tスコア中央値-1.65(-3.50〜-1.40)、血清M蛋白は中央値0.65g/dL(0.00〜2.70g/dL)だった。

 6カ月毎にゾレドロン酸(4mg)を12カ月後まで投与し、骨密度への効果を検討するため13カ月後にDEXA法による骨密度測定を実施した。

 その結果、治療前に比べた13カ月後の腰椎骨Tスコアは中央値+0.30(範囲:-0.38〜+3.91)の上昇を示し、変化率は中央値+22%(範囲:-18%〜+1140%)であった。また、股関節Tスコアにおいても改善が認められ、治療前に比べた13カ月後の変化は中央値+0.19(範囲:-2.40〜+2.03)、変化率は中央値+8%(範囲:-350%〜+150%)であった。試験期間中における新規骨折は1例も認められなかった。一方、血清M蛋白は、治療前から有意な変化を示さなかった(中央値+0.00g/dL、範囲:-2.50g/dL〜+2.10g/dL)。

 治療期間中にリンパ性白血病発症が1例に認められたが、骨髄腫およびB細胞性異常が認められた患者はいなかった。また、ビスホスホネート投与に伴う顎骨壊死(ONJ)の発生は認められず、腎機能に関連した障害の発生も認められなかった。

 これらの結果から、Berenson氏は「ゾレドロン酸の6カ月毎の投与は、MGUS患者の骨密度を有意に改善し、安全性も良好であった。したがって、MGUS患者における新規骨折の抑制に有用な治療であると考えられる」と結論した。