米Mayo Clinic のB. A. Mincey氏

 タモキシフェン治療歴がある閉経後乳癌患者がレトロゾール治療を開始する際に、早期からゾレドロン酸を投与することで骨密度の低下を有意に抑制できることが明らかとなった。この結果は、5月30日から6月3日にシカゴで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO)で、米国Mayo Clinic のB. A. Mincey氏が発表した。

 Mincey氏らは、タモキシフェン治療歴がある閉経後乳癌患者を対象とし、ゾレドロン酸の投与開始時期が異なるレトロゾール治療群2群を無作為化オープンラベル試験により比較した。その結果、これらの患者では骨粗鬆症(骨密度Tスコア<-2.0または非外傷性骨折の発生)に至ってからゾレドロン酸を投与開始するよりも、より早期から投与開始することで有意に骨密度低下を抑制可能であることが示唆された。

レトロゾール開始時からゾレドロン酸投与で骨密度低下が有意に抑制される

 対象は、タモキシフェンによる治療歴があり、Stage I-IIIA、ホルモン受容体陽性の閉経後乳癌患者551例であり、全例ともベースライン時における骨密度はTスコア>-2.0であった。これらを無作為に、レトロゾール投与開始時よりゾレドロン酸を投与する先行投与群(274例:レトロゾール2.5mg/日+ゾレドロン酸4mg/6ヵ月:5年間)、もしくは、レトロゾール投与開始後に骨密度低下(Tスコア<-2.0)や非外傷性骨折が発生してからゾレドロン酸を投与開始するイベント後投与群(277例:薬剤用量は前群と同様)に割り付けた。

 1年後のデータが得られた全431例について解析した結果、ゾレドロン酸先行投与群における腰椎骨密度は治療前に比べ3.7%上昇したのに対し、イベント後投与群では1.7%低下し、両群間に有意差が認められた(p<0.001)。また、臨床的意義を考慮して前規定した「5.0%以上の骨密度低下」に該当した患者率は、先行投与群が3%、イベント後投与群20.7%であり、両群間に有意差が認められた(p<0.0001)。全股関節(total hip)骨密度、大腿骨頚部骨密度についても、これと同様な成績であった。

 先行投与群では、イベント後投与群に比べて、クレアチニン上昇(4% vs 1%)、倦怠感(5% vs 2%)、発熱(6% vs 0%)、嘔気(11% vs 6%)などの副作用が有意に上昇したが、いずれも軽度であり、ゾレドロン酸治療において既知の副作用であった。

 以上から、Mincey氏らは「タモキシフェン治療歴がありレトロゾール治療を開始する閉経後女性では、早期からゾレドロン酸を投与することで有意に骨密度低下を抑制できる」と結論した。